Scene 39 · Notes

解説 場面 39「協力の約束」

この場面の解説

法を破り逮捕されるおそれがあってもかまわないかと念を押すホームズに、ワトソンは正しい目的のためならと迷わず協力を約束する。

表現・文法のポイント

You don't mind breaking the law?
mind ~ing は「~するのを嫌がる・気にする」。平叙文の語順のまま語尾を上げて尋ねる確認の疑問文で、「まさか嫌じゃないよね?」というニュアンスが出る。
Not in the least.
not in the least は「少しも~ない」。mind に対する答えなので「全くかまわない」となる。not at all より強く、ややかしこまった言い方だ。
Then I am your man.
I'm your man は「その役目なら私に任せろ」「引き受けた」という決まり文句。相手が求めている人材はまさに自分だ、という頼もしい返事で、今でも使われる。

背景・時代

ターナー夫人
ベイカー街の下宿のおかみといえばハドソン夫人が有名だが、この作品では一か所だけターナー夫人という名が出てくる。作者の書き間違いとも言われ、ファンの間でさまざまな説が語られてきた。

全文の対訳

"I shall be delighted."

「喜んで引き受けるよ」

"You don't mind breaking the law?"

「法を破ることになってもかまわないかね?」

"Not in the least."

「少しもかまわないよ」

"Nor running a chance of arrest?"

「逮捕されるおそれがあってもかね?」

"Not in a good cause."

「正しい目的のためならね」

"Oh, the cause is excellent!"

「ああ、目的は申し分ないとも!」

"Then I am your man."

「それなら喜んで力を貸すよ」

"I was sure that I might rely on you."

「きみなら頼りになると思っていたよ」

"But what is it you wish?"

「でも、何をしてほしいんだい?」

"When Mrs. Turner has brought in the tray I will make it clear to you. Now," he said as he turned hungrily on the simple fare that our landlady had provided, "I must discuss it while I eat, for I have not much time. It is nearly five now. In two hours we must be on the scene of action. Miss Irene, or Madame, rather, returns from her drive at seven. We must be at Briony Lodge to meet her."

「ターナー夫人がお盆を運んできたら、はっきり説明しよう。さて」と、おかみが用意してくれた質素な食事にがつがつと取りかかりながら彼は言った。「食べながら話すとしよう、あまり時間がないのでね。もうすぐ五時だ。二時間後には、現場にいなければならない。アイリーン嬢、いや、正しくはもう夫人だが、彼女は七時に馬車での外出から戻ってくる。私たちはブライオニー荘で彼女を待ち受けなければならない」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • madame(マダム)… 夫人・奥様(既婚女性への敬称)難
  • hungrily(ハングリリー)… がつがつと・むさぼるように
  • landlady(ランドレイディ)… (下宿の)女主人・女家主
  • provided(プロヴァイディッド)… 用意した・提供した
  • chance()…
  • arrest(アレスト)… 逮捕・逮捕する
  • rather(ラーザ)… (言い直して)むしろ・いや・かなり
  • lodge(ロッジ)… 邸宅・小屋(屋敷名として Briony Lodge)・番小屋

次の場面:ただ一つの条件 One Condition

何が起きるかはもう手配してあると言うホームズは、ワトソンにひとつだけ固く約束させる。何があっても手出しをしないこと。ちょっとした騒ぎのあと、ホームズは家の中へ運び込まれる手はずで、その数分後に居間の窓が開く。ワトソンはその窓のそばに陣取るよう言い渡される。