Scene 08 · Notes

解説 場面 8「家族の話」

この場面の解説

姓の違いからホームズが確かめると、メアリーのいう父は継父だった。彼女は、母が若い男性と再婚したこと、実父の配管工の商売を継父の意向で売ったことを話す。

表現・文法のポイント

your stepfather, surely
stepfather は、親の再婚によって父となった「継父」。surely は確かめる気持ちを添える。ホームズは名前の違いから関係を問い直すが、メアリー自身が普段父と呼んでいることは、その後の本人の説明でも保たれている。
a traveller in wines
traveller は単なる旅行者だけでなく、取引先を回る営業の人も指す。in wines が扱う商品を示し、ここではワイン商の外回り営業である。亡き実父の商売を売らせた理由を語る中で、継父の気位の高さとともに説明される。

全文の対訳

"Your father," said Holmes, "your stepfather, surely, since the name is different."

「お父様とおっしゃいますが」とホームズは言った。「姓が違うのですから、継父の方ですね」

"Yes, my stepfather. I call him father, though it sounds funny, too, for he is only five years and two months older than myself."

「ええ、継父です。父と呼んでいますけれど、それもおかしな話ですね。私より五歳と二か月上なだけですから」

"And your mother is alive?"

「では、お母様はご存命ですか」

"Oh, yes, mother is alive and well. I wasn't best pleased, Mr. Holmes, when she married again so soon after father's death, and a man who was nearly fifteen years younger than herself. Father was a plumber in the Tottenham Court Road, and he left a tidy business behind him, which mother carried on with Mr. Hardy, the foreman; but when Mr. Windibank came he made her sell the business, for he was very superior, being a traveller in wines. They got £ 4700 for the goodwill and interest, which wasn't near as much as father could have got if he had been alive."

「ええ、母は元気にしています。ホームズさん、父が亡くなってからあまりに早く、しかも自分より十五歳近く若い人と母が再婚したとき、私はあまりうれしくありませんでした。父はトテナム・コート・ロードの配管工で、かなりの規模の商売を残しました。母は職長のハーディさんとそれを続けていましたが、ウィンディバンクさんが来ると、母に商売を売らせたんです。ワイン商の外回り営業をしていて、とても気位が高い人でしたから。営業権と持分で四千七百ポンドになりましたが、父が生きていたら得られた額には、とても及びませんでした」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • stepfather(ステップファーザー)… 継父・義父
  • traveller(トラヴラー)… 外回り営業の人・旅行者
  • superior(スーピアリア)… 質や居心地が優れた・上等な・気位が高い・優れた
  • goodwill(グッドウィル)… 営業権・信用
  • plumber(プラマー)… 配管工・水道屋
  • foreman(フォーマン)… 職長
  • surely(シュアリー)… もちろん・きっと・確かに
  • wines(ワインズ)… ワイン類

次の場面:収入の出所 A Question of Income

とりとめもなく続くメアリーの話を、ホームズは意外にも、じっと集中して聞いている。そして、彼女自身の小さな収入について尋ねる。それは実父の商売から出ているものなのか。メアリーは、遠いニュージーランドのオークランドにいた叔父の名を挙げて、そのお金の出どころを説明する。