Scene 11 · Notes

解説 場面 11「舞踏会の思い出」

この場面の解説

メアリーは、継父の反対を押し切ってガス配管工の舞踏会へ出かけた経緯を語る。かつての職長だったハーディと母とともに出席し、そこでエンジェルに出会ったという。

表現・文法のポイント

so much as to join a Sunday-school treat
so much asは、ここでは「〜することさえ」と最小限のことを強調する。メアリーは、継父が大きな外出だけでなく、日曜学校の催しに参加するという程度の希望にも怒ったと述べている。彼の制限の強さを伝える言い方だ。
I was set on going
be set on -ingは「〜することを固く決めている」。onの後ろは前置詞の目的語なので、goingの形になる。ここでは、継父の反対にもかかわらず、メアリーが今回の舞踏会にはどうしても行くつもりだったことを表す。

全文の対訳

A flush stole over Miss Sutherland's face, and she picked nervously at the fringe of her jacket. "I met him first at the gasfitters' ball," she said. "They used to send father tickets when he was alive, and then afterwards they remembered us, and sent them to mother. Mr. Windibank did not wish us to go. He never did wish us to go anywhere. He would get quite mad if I wanted so much as to join a Sunday-school treat. But this time I was set on going, and I would go; for what right had he to prevent? He said the folk were not fit for us to know, when all father's friends were to be there. And he said that I had nothing fit to wear, when I had my purple plush that I had never so much as taken out of the drawer. At last, when nothing else would do, he went off to France upon the business of the firm, but we went, mother and I, with Mr. Hardy, who used to be our foreman, and it was there I met Mr. Hosmer Angel."

サザーランド嬢の顔に赤みがさし、彼女は上着の房飾りをそわそわといじった。「初めて会ったのは、ガス配管工の舞踏会でした」と彼女は言った。「父が生きていた頃はいつも入場券を送ってくれて、その後も私たちを忘れずに、母に送ってくれたんです。ウィンディバンクさんは、私たちに行ってほしくありませんでした。私たちがどこへ出かけるのも、いつだって嫌がる人でした。日曜学校の催しに加わりたいと思っただけでも、ひどく怒るんです。でも、このときはどうしても行くと決め、行くつもりでした。だって、あの人に止める権利がどこにあるのでしょう。あの人は、私たちが付き合うのにふさわしくない人たちだと言いましたけれど、父の友人たちはみんな来るはずでした。それに着ていくまともな服がないとも言いました。でも私は、一度も引き出しから出したことさえない、紫のプラッシュの服を持っていたんです。結局、どうにもならないと分かると、あの人は商会の仕事でフランスへ出かけました。でも私と母は、前にうちの職長だったハーディさんと出かけて、そこでホズマー・エンジェルさんに会ったんです」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • fringe(フリンジ)… 房飾り・縁難
  • gasfitters(ギャスフィッターズ)… ガス配管工たち難
  • sunday-school(サンデイスクール)… 日曜学校・教会で子供に宗教を教える集まり難
  • plush(プラッシュ)… プラッシュ・毛足の長い布難
  • nervously(ナーヴァスリー)… そわそわして・神経質に
  • prevent(プリヴェント)… 防ぐ・妨げる
  • foreman(フォーマン)… 職長
  • drawer(ドロー)… 引き出し

次の場面:舞踏会のあと After the Ball

フランスから戻った継父は、舞踏会のことでさぞ腹を立てたのではないか、とホームズは尋ねる。メアリーの答えは、思いのほか穏やかなものだった。話は、舞踏会で出会ったホズマー・エンジェルのことへ移る。彼は翌日に家を訪ねてきて、その後、二人は散歩にも出かけたという。