Scene 15 · Notes

解説 場面 15「手紙の届け先」

この場面の解説

メアリーは手紙を局留めで送り、女性からの便りを同僚にからかわれるとエンジェルが説明したことを語る。彼はメアリーのタイプの手紙を嫌がり、手書きのほうが本人から届く気がすると言ったという。

表現・文法のポイント

to be left till called for
手紙を「受け取りに来るまで預けておく」という説明。called forは受動の形で、手紙が引き取りを求められるまでという意味になる。局留めという受け取り方を述べており、郵便局が宛名の相手を呼び出すことではない。
the machine had come between us
come between peopleは「人と人の間に入り、関係を妨げる」。ここでは物理的にタイプライターが二人の間に置かれるのではない。手書きでないと本人との親しさが薄れる、というエンジェルの説明をメアリーが伝えている。

全文の対訳

"To the Leadenhall Street Post Office, to be left till called for. He said that if they were sent to the office he would be chaffed by all the other clerks about having letters from a lady, so I offered to typewrite them, like he did his, but he wouldn't have that, for he said that when I wrote them they seemed to come from me, but when they were typewritten he always felt that the machine had come between us. That will just show you how fond he was of me, Mr. Holmes, and the little things that he would think of."

「レドンホール街の郵便局留めで、受け取りに来るまで預かってもらっていました。事務所に送ると、女性から手紙が来たことをほかの事務員みんなにからかわれると言うんです。それで、彼が自分の手紙でしているように、私もタイプで打ちましょうかと申し出ました。でも、それは嫌がりました。私が手で書くと私自身から届いた感じがするのに、タイプで打ってあると、いつも機械が二人の間に入った気がする、と言うんです。これだけでも、ホームズさん、どれほど私を大切にしてくれていたか、どんな小さなことまで考えてくれていたか、お分かりになるでしょう」

"It was most suggestive," said Holmes. "It has long been an axiom of mine that the little things are infinitely the most important. Can you remember any other little things about Mr. Hosmer Angel?"

「たいへん示唆に富んだお話です」とホームズは言った。「細かな事柄こそ、はるかに重要だというのは、長く私の信条となっています。エンジェルさんについて、ほかにも何か細かなことを覚えていませんか」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • chaffed(チャーフト)… からかわれた難
  • typewrite(タイプライト)… タイプで打つ難
  • typewritten(タイプリトゥン)… タイプで打たれた難
  • axiom(アクスィオム)… 信条・原則・自明の理難
  • suggestive(サジェスティヴ)… (of で)〜を思わせる・示唆的な
  • infinitely(インフィニトリー)… 限りなく・はるかに
  • clerks(クラークス)… 事務員たち
  • fond(フォンド)… 好きで・愛情を持って

次の場面:人となりを尋ねる Asking About Him

エンジェルはどんな人だったのか。メアリーは、とても内気で、昼より夕方に散歩するのを好んだと話す。声のこと、目のこと、身なりのことも、彼女は一つずつ思い出していく。話を聞き終えたホームズは、継父が再びフランスへ発ったあとに何があったのかと、先を促す。