Scene 17 · Notes

解説 場面 17「結婚の相談」

この場面の解説

エンジェルは継父が戻る前の結婚を提案し、メアリーに新約聖書に手を置いて忠実でいると誓わせた。彼女は母の勧めにも不安を覚え、ボルドーの継父に手紙を出したが、式の朝に戻ってきたという。

表現・文法のポイント

on the sly
on the slyは「こっそり、内緒で」。メアリーは結婚を望んでいても、継父に知らせず物事を進めるのを好まない。そのため、許可を求めるのは変だと感じながらも、フランスの事務所へ手紙を書いたと説明している。
It missed him, then?
missはここで「行き違いになる、届く機会を逃す」。itはメアリーが送った手紙を指す。受け取るはずの人が先に出発してしまったため手紙が届かなかったのか、とホームズが確認しているのであり、寂しく思う意味ではない。

全文の対訳

"Mr. Hosmer Angel came to the house again and proposed that we should marry before father came back. He was in dreadful earnest and made me swear, with my hands on the Testament, that whatever happened I would always be true to him. Mother said he was quite right to make me swear, and that it was a sign of his passion. Mother was all in his favour from the first and was even fonder of him than I was. Then, when they talked of marrying within the week, I began to ask about father; but they both said never to mind about father, but just to tell him afterwards, and mother said she would make it all right with him. I didn't quite like that, Mr. Holmes. It seemed funny that I should ask his leave, as he was only a few years older than me; but I didn't want to do anything on the sly, so I wrote to father at Bordeaux, where the company has its French offices, but the letter came back to me on the very morning of the wedding."

「エンジェルさんがまた家に来るようになって、父が戻る前に結婚しようと言い出したんです。恐ろしいほど真剣で、何があってもずっと彼に忠実でいると、新約聖書に両手を置いて私に誓わせました。母は、誓わせるのはもっともで、それだけ彼の愛情が深い証拠だと言いました。母は最初からすっかり彼の味方で、私以上に彼を気に入っていました。それで一週間以内に結婚しようという話になったとき、私は父のことを持ち出しました。でも二人とも、父のことは気にせず後で知らせればよいと言い、母は、自分が父にうまく話しておくと言いました。私はあまり気が進みませんでした、ホームズさん。父は私より数歳上なだけですから、許しを求めるのも変に思えました。でも、こそこそしたことはしたくなかったので、会社のフランスの事務所があるボルドーの父に手紙を書きました。ところが、その手紙が結婚式の朝、私のところに戻ってきたんです」

"It missed him, then?"

「では、行き違いになったのですね」

"Yes, sir; for he had started to England just before it arrived."

「ええ、そうです。手紙が届く直前に、父はイングランドへ発っていたんです」

"Ha! that was unfortunate. Your wedding was arranged, then, for the Friday. Was it to be in church?"

「なるほど、それはあいにくでした。それで、結婚式は金曜日の予定だったのですね。教会で行うはずでしたか」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • testament(テスタメント)… 新約聖書(the Testament)・遺言難
  • unfortunate(アンフォーチュネット)… 残念な・不運な
  • proposed(プロポウズド)… 提案した・結婚を申し込んだ
  • dreadful(ドレッドフル)… ひどい・恐ろしい
  • whatever(ウォットエヴァー)… 〜するものは何でも・何が〜しても
  • marrying(マリイング)… 結婚すること
  • earnest(アーニスト)… 真剣な・in earnestで本気で
  • passion(パッション)… 強い愛情・情熱・熱中・目がないこと

次の場面:式当日の朝 The Wedding Morning

式は金曜日、キングズ・クロスに近いセント・セイヴィア教会で、ひっそり挙げることになっていた。当日の朝、エンジェルは辻馬車で二人を迎えに来る。メアリーと母を二輪のハンサムに乗せ、自分は通りにいたもう一台の四輪辻馬車に乗り込む。教会では何が待っていたのか。