Scene 18 · Notes

解説 場面 18「式当日の朝」

この場面の解説

式はセント・セイヴィア教会で行う予定だった。メアリーと母はハンサム、エンジェルは四輪辻馬車に乗ったが、教会へ着いた彼の馬車には誰もいなかったとメアリーは語る。

表現・文法のポイント

a four-wheeler
four-wheelerは四輪の辻馬車を指す。本文には、これとは別にhansomという二輪の辻馬車も登場する。ここでは、メアリーと母がハンサムに乗り、エンジェルはもう一台の四輪辻馬車に乗ったと説明されている。
throw any light upon
throw light upon somethingは「物事に光を当てる」、転じて「事情を明らかにする」。ここでのlightは実際の照明ではない。失踪後の状況を理解する手掛かりになる情報を、何も見聞きしていないという意味になる。

全文の対訳

"Yes, sir, but very quietly. It was to be at St. Saviour's, near King's Cross, and we were to have breakfast afterwards at the St. Pancras Hotel. Hosmer came for us in a hansom, but as there were two of us he put us both into it and stepped himself into a four-wheeler, which happened to be the only other cab in the street. We got to the church first, and when the four-wheeler drove up we waited for him to step out, but he never did, and when the cabman got down from the box and looked there was no one there! The cabman said that he could not imagine what had become of him, for he had seen him get in with his own eyes. That was last Friday, Mr. Holmes, and I have never seen or heard anything since then to throw any light upon what became of him."

「ええ、でも、ひっそりと行うつもりでした。キングズ・クロスの近くのセント・セイヴィア教会で挙げ、その後はセント・パンクラス・ホテルで朝食をとることになっていました。ホズマーはハンサムで迎えに来ましたが、私たちが二人いたので、そちらには二人とも乗せ、自分は四輪辻馬車に乗りました。それが、たまたま通りにいたもう一台きりの辻馬車だったんです。私たちが先に教会に着き、四輪辻馬車が来ると、彼が降りてくるのを待ちました。でも、いくら待っても降りてこなくて、御者が御者台から降りて見ると、誰も乗っていませんでした。御者は、自分の目で乗るところを見たのだから、彼がどうなったのか見当もつかないと言いました。それが先週の金曜日です、ホームズさん。それ以来、彼がどうなったのか分かるようなことは、何も見ても聞いてもいません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • hansom(ハンサム)… ハンサム馬車(一頭立て二輪の辻馬車)難
  • four-wheeler(フォーウィーラー)… 四輪馬車(四輪の辻馬車)・四輪車難
  • cabman(キャブマン)… (辻馬車の)御者・タクシー運転手難
  • upon(アポン)… (work uponで)〜を研究・実験して・〜の上に(on のやや改まった形)
  • cab(キャブ)… 辻馬車・タクシー

次の場面:彼女の思い Her Belief

ひどい仕打ちを受けたものだ、とホームズは言う。だがメアリーは、きっぱりと首を振る。あの人は自分を見捨てるような人ではない、というのだ。式の朝にエンジェルが口にした言葉を、彼女はいま思い返している。ホームズは、彼女がこの出来事をどう考えているのかを確かめようとする。