Scene 21 · Notes

解説 場面 21「尽きない疑問」

この場面の解説

継父も何かが起きたと考えているようだとメアリーは話す。金銭目的とも思えないのに、なぜ置き去りにされ、手紙も来ないのかと苦しみ、彼女はとうとうすすり泣く。

表現・文法のポイント

what interest could anyone have
interestはここで興味や利子ではなく「利益、得になること」。誰かがメアリーを教会の前まで連れて行って置き去りにすることに、どのような得があるのかと問いかける。継父の言葉をメアリーが振り返る形で述べられている。
I can't sleep a wink at night
not sleep a winkは「一睡もできない」。winkは本来、まばたきやその短い時間を表すが、ここでは眠れないことを強調する。メアリーは、相手の消息を考え続けるせいで、夜も心を休められない状態を訴えている。

全文の対訳

"Yes; and he seemed to think, with me, that something had happened, and that I should hear of Hosmer again. As he said, what interest could anyone have in bringing me to the doors of the church, and then leaving me? Now, if he had borrowed my money, or if he had married me and got my money settled on him, there might be some reason, but Hosmer was very independent about money and never would look at a shilling of mine. And yet, what could have happened? And why could he not write? Oh, it drives me half-mad to think of it, and I can't sleep a wink at night." She pulled a little handkerchief out of her muff and began to sob heavily into it.

「ええ。父も私と同じように、何かが起きたのだろう、そのうちまたホズマーから便りがあるだろうと思っているようでした。父の言うとおり、教会の戸口まで私を連れてきて、そこで置き去りにすることに、いったい誰がどんな得をするのでしょう。もし私のお金を借りていたり、私と結婚して私のお金を自分のものにしていたりするなら、何か理由もあるでしょう。でもホズマーは、お金のことではたいへん自立した方で、私の一シリングにさえ目を向けようとはしませんでした。それなのに、いったい何があったのでしょう。なぜ手紙も書けないのでしょう。ああ、考えていると気が変になりそうで、夜も一睡もできないんです」彼女はマフから小さなハンカチを取り出し、顔を埋めて激しくすすり泣き始めた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • shilling(シリング)… シリング・旧英国通貨の単位難
  • muff(マフ)… マフ・手を入れて温める防寒具難
  • handkerchief(ハンカチーフ)… ハンカチ
  • independent(インディペンダント)… 独立した・人の金に頼らない
  • half-mad(ハーフマッド)… 気が変になりそうな・半ば狂った
  • settled(セトルド)… (金や財産を人に)譲渡した・帰属させた・決着した・解決した・落ち着いた
  • heavily(ヘヴィリー)… 重々しく・ひどく・激しく
  • wink(ウィンク)… まばたき・sleep a winkで一睡する

次の場面:調査を頼んで Entrusting the Inquiry

ホームズは立ち上がり、この件を調べると約束する。そして、もう思い悩むのはやめ、エンジェルのことは忘れるようにと勧める。もう会えないのか、と問うメアリーに、ホームズは何と答えるのか。調べるために、彼はエンジェルの詳しい特徴と、手元にある手紙を求める。