Scene 07 · Notes

解説 場面 7「一族の相談」

この場面の解説

青年は自分の一族の事件が特に不可解だと訴える。ホームズは順序立てて事実を話すよう促し、青年は火のそばへ椅子を寄せる。

表現・文法のポイント

the last court of appeal
court of appealは控訴裁判所。ここでは司法上の肩書ではなく、ほかで解けない相談が最後に持ち込まれる場所だというホームズの比喩である。
from the commencement
「初めから」。ホームズは重要な細部を後で質問すると言い、まず青年の話を順に聞こうとしている。

全文の対訳

"But what is that compared with the number of your successes?"

「けれど、成功なさった数と比べれば、それが何だというのでしょう」

"It is true that I have been generally successful."

「おおむね成功してきたのは確かです」

"Then you may be so with me."

「それなら、私の場合もうまくいくかもしれませんね」

"I beg that you will draw your chair up to the fire and favour me with some details as to your case."

「椅子を火のそばへ寄せて、事件について少し詳しくお聞かせください」

"It is no ordinary one."

「普通の話ではありません」

"None of those which come to me are. I am the last court of appeal."

「私のところへ来る話は、どれも普通ではありません。私は最後の控訴裁判所ですから」

"And yet I question, sir, whether, in all your experience, you have ever listened to a more mysterious and inexplicable chain of events than those which have happened in my own family."

「それでも、あなたのご経験の中でも、私の一族に起きたこと以上に不可解で説明のつかない出来事の連なりは、お聞きになったことがないのではないかと思います」

"You fill me with interest," said Holmes. "Pray give us the essential facts from the commencement, and I can afterwards question you as to those details which seem to me to be most important."

「それは興味を引かれますね」とホームズは言った。「まず初めから肝心の事実をお話しください。特に重要と思える細部は、後からこちらでお尋ねします」

The young man pulled his chair up and pushed his wet feet out towards the blaze.

青年は椅子を引き寄せ、濡れた足を燃え盛る火の方へ差し出した。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • inexplicable(イニクスプリカブル)… 説明のつかない・不可解な
  • commencement(コメンスメント)… 始まり・開始
  • mysterious(ミスティアリアス)… 謎めいた・不思議な・不可解な
  • successes(サクセスィズ)… 成功(複数)
  • generally(ジェネラリー)… 全般的に・ふつうは
  • essential(イセンシャル)… どうしても必要な・欠かせない
  • compared(コンペアド)… 比べられた・比較した
  • ordinary(オーディナリー)… 普通の・ありふれた

次の場面:おじの来歴 The Uncle's Past

青年はジョン・オープンショーと名乗り、自分だけの事情では説明できない問題だと話し始める。相談の背景を知るには、一族の昔へさかのぼる必要があるという。父とおじはどのような暮らしをしてきたのか。ホームズとワトソンは、ジョンが語る家族の来歴に耳を傾ける。