Scene 12 · Notes

解説 場面 12「呼ばれた部屋」

この場面の解説

部屋の暖炉には燃やした紙の灰があり、空の箱にも三つのKが記されている。おじは遺言の証人としてジョンに署名させ、財産の継承について奇妙な忠告をする。

表現・文法のポイント

with all its advantages and all its disadvantages
利点と不利な点を対にして強調する。遺産を単に喜ばしい財産としてではなく、望ましくない側面も含めて残すという、おじの言い方である。
such a two-edged thing
two-edgedは「両刃の」。利益にも害にもなり得るという比喩で、何が起こるか分からないという直後の発言につながる。

全文の対訳

"I did as he ordered, and when the lawyer arrived I was asked to step up to the room. The fire was burning brightly, and in the grate there was a mass of black, fluffy ashes, as of burned paper, while the brass box stood open and empty beside it. As I glanced at the box I noticed, with a start, that upon the lid was printed the treble K which I had read in the morning upon the envelope.

「言われたとおりにし、弁護士が来ると、私は上の部屋へ呼ばれました。火が明るく燃え、暖炉には紙を焼いたような黒くふわふわした灰が大量にあり、そのそばで真鍮の箱が空になって口を開けていました。箱に目をやると、蓋に、朝の封筒で見たのと同じ三つのKが印刷されているのに気づき、はっとしました。

"'I wish you, John,' said my uncle, 'to witness my will. I leave my estate, with all its advantages and all its disadvantages, to my brother, your father, whence it will, no doubt, descend to you. If you can enjoy it in peace, well and good! If you find you cannot, take my advice, my boy, and leave it to your deadliest enemy. I am sorry to give you such a two-edged thing, but I can't say what turn things are going to take. Kindly sign the paper where Mr. Fordham shows you.'

「『ジョン、おまえに』とおじは言いました。『遺言の証人になってもらいたい。この財産は、利点も不利な点もすべて含めて、おれの兄弟であるおまえの父親に残す。そこからおまえに受け継がれるのは、まず間違いなかろう。平穏に楽しめるなら、それでよし。そうはいかないと分かったら、おれの忠告を聞いて、一番憎い敵にくれてやれ。こんな両刃のものを渡してすまないが、事がどちらに転ぶか、おれには分からん。フォーダムさんの指す所へ署名してくれ』

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • grate(グレイト)… (暖炉の)火格子・炉難
  • whence(ウェンス)… そこから(古風)・どこから難
  • disadvantages(ディサドヴァーンティッジズ)… 不利な点(複数)
  • advantages(アドヴァーンティッジズ)… 利点・強み(複数)
  • deadliest(デッドリエスト)… 最も憎い・最も命に関わる・最も命にかかわる・最も猛毒の
  • two-edged(トゥーエッジド)… 両刃の・利害両面のある
  • burning(バーニング)… 燃えている・焦げつくような
  • glanced(グラーンスト)… ちらりと見た

次の場面:閉ざされた扉 Behind Closed Doors

弁護士を迎えた日のことは、ジョンの記憶に深く刻まれている。けれども、その場で起きたことの意味は分からないままだ。日がたつにつれて、少年はおじの暮らしを見守り続ける。ふだんの屋敷の静けさと、人を遠ざけるおじの様子を、青年は改めて思い返す。