Scene 28 · Notes

解説 場面 28「暖炉の沈黙」

この場面の解説

来客が去った後、二人は事件の奇怪さを振り返る。ホームズは危険の性質について考えがあると言い、ワトソンはその正体を問う。

表現・文法のポイント

none more fantastic than this
noneの後にcaseが省かれ、「これより奇怪な事件は一つもない」という比較。最も奇怪な部類だと強調する言い方である。
than did the Sholtos
比較の後で、前に出たwalking amid ...を繰り返さずdidで受けている。ショルトー家の経験と、現在の青年の危険を比べている。

全文の対訳

Sherlock Holmes sat for some time in silence, with his head sunk forward and his eyes bent upon the red glow of the fire. Then he lit his pipe, and leaning back in his chair he watched the blue smoke-rings as they chased each other up to the ceiling.

ホームズはしばらく黙ったまま、頭を前へ垂れ、赤く燃える火を見つめていた。やがてパイプに火をつけ、椅子にもたれて、青い煙の輪が追いかけ合いながら天井へ上るのを眺めた。

"I think, Watson," he remarked at last, "that of all our cases we have had none more fantastic than this."

「ワトソン」と、ついに彼は言った。「これまでの事件の中でも、これほど奇怪なものはなかったと思うね」

"Save, perhaps, the Sign of Four."

「『四つの署名』は別かもしれないが」

"Well, yes. Save, perhaps, that. And yet this John Openshaw seems to me to be walking amid even greater perils than did the Sholtos."

「ああ、そうだな。あれは別かもしれない。それでも、このジョン・オープンショーは、ショルトー家の人々より、さらに大きな危険の中を歩いているように思える」

"But have you," I asked, "formed any definite conception as to what these perils are?"

「だが、その危険が何なのか」と私は尋ねた。「はっきりした考えはできているのかい」

"There can be no question as to their nature," he answered.

「危険の性質については、疑う余地がない」と彼は答えた。

"Then what are they? Who is this K. K. K., and why does he pursue this unhappy family?"

「では、何なんだ。このK・K・Kとは誰で、なぜこの不幸な一族を追い回すんだろう」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • amid(アミッド)… ~に囲まれて・~の中で難
  • conception(コンセプション)… 考え・理解・人物像や考えの明確な把握・概念難
  • smoke-rings(スモウクリングズ)… 煙の輪(複数)
  • fantastic(ファンタスティック)… 突飛な・空想的な・すばらしい
  • remarked(リマークト)… 言った・述べた
  • definite(デフィニット)… はっきりした・確かな・明確な
  • silence(サイレンス)… 沈黙・静けさ・黙らせる・口を封じる(動詞)・沈黙・静けさ
  • leaning(リーニング)… もたれている・傾いている

次の場面:推理する頭脳 The Reasoning Mind

ワトソンの問いを受けたホームズは、目を閉じ、椅子の肘掛けに腕を置く。そして、一つの事実から何を考えられるのかを語り始める。目の前にない出来事を、推理によってどこまでたどれるのか。二人の会話は、この事件だけでなく、観察と知識の使い方へも広がっていく。