Scene 30 · Notes

解説 場面 30「知識の見取図」

この場面の解説

ワトソンは昔まとめたホームズの知識の一覧を、笑いながら挙げる。専門知識の偏りに加え、技能や生活習慣も列挙する。

表現・文法のポイント

were marked at zero
markは評価や数値を付けること。哲学などの知識が「ゼロと記された」と、一覧での評価を受け身で述べている。
as regards the mud-stains
as regards ...は「…に関して」。地質学全体に等しく詳しいとするのではなく、土地ごとの泥の染みについての知識を特に指す。

全文の対訳

"Yes," I answered, laughing. "It was a singular document. Philosophy, astronomy, and politics were marked at zero, I remember. Botany variable, geology profound as regards the mud-stains from any region within fifty miles of town, chemistry eccentric, anatomy unsystematic, sensational literature and crime records unique, violin-player, boxer, swordsman, lawyer, and self-poisoner by cocaine and tobacco. Those, I think, were the main points of my analysis."

「そうだった」と私は笑って答えた。「あれは奇妙な文書だったね。確か、哲学、天文学、政治学はゼロと記した。植物学はまちまち、地質学は町から五十マイル以内のどの土地の泥の染みについても深遠、化学は風変わり、解剖学は体系立たず、通俗文学と犯罪記録は無類。ヴァイオリン弾き、ボクサー、剣士、法律家、それにコカインとたばこで自分を毒する者だった。主な分析結果はそんなところだったと思う」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • violin-player(ヴァイオリンプレイヤー)… ヴァイオリン奏者
  • self-poisoner(セルフポイズナー)… 自ら毒を摂取する人
  • unsystematic(アンスィステマティック)… 体系立たない・無計画な
  • sensational(センセイショナル)… 通俗的で刺激の強い・扇情的な
  • philosophy(フィロソフィー)… 哲学・考え方
  • mud-stains(マッドステインズ)… 泥の染み(複数)
  • literature(リテラチャー)… 文学・文献・(ある分野の)文献・論文・文学
  • astronomy(アストロノミー)… 天文学

次の場面:知識の使い道 Putting Knowledge to Use

ワトソンの挙げた知識の一覧に、ホームズは笑みを見せる。頭の中に何を置き、何を資料として手元に残すべきなのか。二人は、先ほどの相談に立ち戻り、必要な知識と事実をそろえていく。ホームズは本棚の一冊を取ってほしいと頼み、改めて話の筋をたどり始める。