Scene 40 · Notes

解説 場面 40「遅い帰宅」

この場面の解説

夜遅く帰宅したホームズは、朝から何も食べずに調査していた。パンと水を口にし、成果を尋ねるワトソンに、うまくいったと答える。

表現・文法のポイント

It was nearly ten o'clock before
it was+時刻+beforeで、その時刻になるまで起きなかったことを表す。ホームズの帰宅が十時近くまで遅れたという意味である。
Not a bite.
biteは一口の量。「一口さえ食べていない」と、前のNothing?に短く答えている。

全文の対訳

All day I was engaged in my professional work, and it was late in the evening before I returned to Baker Street. Sherlock Holmes had not come back yet. It was nearly ten o'clock before he entered, looking pale and worn. He walked up to the sideboard, and tearing a piece from the loaf he devoured it voraciously, washing it down with a long draught of water.

一日じゅう診療の仕事に追われ、ベイカー街へ戻ったのは夜遅くなってからだった。ホームズはまだ帰っていなかった。彼が青白く疲れた顔で入ってきたのは、十時近くだった。脇の戸棚へ歩み寄ると、パンの塊から一片をちぎってむさぼり食べ、水をたっぷり飲んで流し込んだ。

"You are hungry," I remarked.

「腹がすいているんだね」と私は言った。

"Starving. It had escaped my memory. I have had nothing since breakfast."

「飢え死にしそうだ。すっかり忘れていた。朝食以来、何も食べていない」

"Nothing?"

「何もかい」

"Not a bite. I had no time to think of it."

「一口も。考える暇もなかった」

"And how have you succeeded?"

「それで、首尾はどうだった」

"Well."

「うまくいった」

"You have a clue?"

「手掛かりをつかんだのかい」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • sideboard(サイドボード)… サイドボード(料理や食器を置く低い飾り棚)難
  • draught(ドラーフト)… ひと飲み・隙間風・隙間風・すきま風・(飲み物の)ひと飲み難
  • professional(プロフェッショナル)… 職業上の・専門の・プロの
  • voraciously(ヴァレイシャスリー)… むさぼるように・貪欲に
  • succeeded(サクスィーディッド)… 成功した(succeeded inで)・(be succeeded by で)〜に続かれた・成功した・後を継いだ
  • devoured(ディヴァウアド)… むさぼり食べた
  • remarked(リマークト)… 言った・述べた
  • starving(スターヴィング)… ひどく空腹の・飢えている

次の場面:封筒の支度 Preparing an Envelope

調査の手応えを尋ねるワトソンに、ホームズは自信のある言葉で答える。青年のために、いま何ができるのか。ホームズは何かを思いついたように話し、身近な物を手に取ろうとする。長い一日を終えた部屋で、二人の会話は、調査の結果と次に取る手立てへと進んでいく。