Scene 27 · Notes

解説 場面 27「疑いの行方」

この場面の解説

卿は、ハティがフローラの騒ぎを聞いた証拠はないと答える。ホームズが二人の接触を疑う一方、卿は嫉妬が人柄を変えることもあるとしてフローラへの疑いを保つ。

表現・文法のポイント

a strange transformer of characters
a transformer of charactersは嫉妬を、人の性格を変えてしまうものとして比喩的に表す。
a possible supposition
a possible suppositionは確定した事実でなく、あり得る推測として限定して受け取る。

全文の対訳

"No, thank goodness, she did not."

「いいえ、ありがたいことに、聞いていません」

"And she was seen walking with this very woman afterwards?"

「それなのに、その同じ女性と歩いているところをあとで見られた?」

"Yes. That is what Mr. Lestrade, of Scotland Yard, looks upon as so serious. It is thought that Flora decoyed my wife out and laid some terrible trap for her."

「ええ。スコットランド・ヤードのレストレード氏が、そこを非常に重大だと見ています。フローラが妻を誘い出し、恐ろしい罠にかけたのだと考えられています」

"Well, it is a possible supposition."

「まあ、あり得る推測ではあります」

"You think so, too?"

「あなたもそう思われますか?」

"I did not say a probable one. But you do not yourself look upon this as likely?"

「ありそうな推測だとは言っていません。しかし、あなた自身も、その可能性は低いと見ているのですか?」

"I do not think Flora would hurt a fly."

「フローラはハエ一匹傷つける女性ではないと思います」

"Still, jealousy is a strange transformer of characters. Pray what is your own theory as to what took place?"

「それでも、嫉妬は人の性格を奇妙に変えるものです。いったい何が起きたと、ご自身では考えておられますか?」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • supposition(サパズィション)… 仮定・推測難
  • transformer(トランスフォーマー)… 性格を変えるもの
  • characters(キャラクターズ)… 文字・人物
  • goodness(グッドネス)… 善意・慈悲・(have the goodness to で)親切にも〜する・善良さ・(驚きの)まあ
  • probable(プロバブル)… ありそうな・たぶん起こる
  • jealousy(ジェラスィー)… 嫉妬・ねたみ
  • decoyed(ディコイド)… 誘い出した・おびき寄せた
  • theory(スィアリー)… 説・理論・推論

次の場面:卿自身の推測 His Lordship's Theory

レストレードは、嫉妬したフローラが花嫁を誘い出した可能性を疑っている。ホームズは可能性は認めても、確からしいとは言っていない。卿自身もフローラが人を傷つけるとは思えず、探偵へ理論を求めている。そこでホームズは、依頼人自身の見立てを尋ねる。