第 2 章(II)卿の証言The Adventure of the Noble Bachelor

午後四時、セント・サイモン卿が221Bを訪れる。ホームズは花嫁の育ちと気質、式の前後の様子、教会で起きた小さな出来事、侍女やフローラとの関係を一つずつ尋ねる。尊大さを崩さない依頼人の答えを聞きながら、探偵は新聞だけでは見えなかった時刻と動きをつなげていく。

解説の目次

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  1. 13四時の来客 The Visitor at Fourフローラ・ミラーの逮捕を伝える記事まで読み終えたとき、221Bの呼び鈴が鳴る。時計は四時を少し回ったところで、ホームズは約束の依頼人だろうと考える。小姓が扉を大きく開き、セント・サイモン卿の名を告げる。解説を読む ›
  2. 14依頼人の痛手 The Client's Painセント・サイモン卿は、整った服装と上品な顔立ちを持ちながら、姿勢や白髪に年齢以上の印象を漂わせている。221Bへ入った卿を、ホームズは暖炉そばの籐椅子へ案内し、同席しているワトソンを友人で同僚だと紹介する。解説を読む ›
  3. 15前の依頼人 The Previous Client結婚事件で深く傷ついた卿は、ホームズが同じような繊細な問題を扱った経験を尋ねる。探偵が直前の依頼人は国王だったと答えると、卿は思いがけない身分に驚く。話題は、その過去の依頼についてどこまで語れるかへ移る。解説を読む ›
  4. 16聞き取りの始まり The Questions Beginほかの依頼人の秘密も守るというホームズの説明に納得し、卿は判断に役立つ情報なら何でも話すと約束する。探偵が知っているのは新聞に載った範囲だけである。まず記事の内容に誤りがないか、依頼人本人へ確かめるところから聞き取りが始まる。解説を読む ›
  5. 17鉱山の財産 A Mining Fortune新聞記事は正しいものの、判断には多くの補足が必要だとホームズは考えている。最初に確かめたのは、卿が一年前のサンフランシスコでハティと出会ったことだった。質問は、当時の二人の関係と、彼女の父が持つ財産へ続いていく。解説を読む ›
  6. 18花嫁の気質 The Bride's Characterハティの父ドランは、鉱山で金を当て、短い間に太平洋岸屈指の富豪となった。家の財産について聞き終えたホームズは、事件当日の行動へ進む前に、若い花嫁そのものを卿がどう見ていたのか知ろうとする。卿は眼鏡の紐を揺らしながら火を見つめる。解説を読む ›
  7. 19象牙の肖像 The Ivory Portraitハティは父が富を得る前、鉱山のキャンプや山野を自由に駆け回って育った。卿は彼女の激しい気質と高潔さを語り、ホームズはその人物像を聞き終える。次に探偵が求めるのは、言葉による説明とは別に花嫁の姿を確かめられるものだった。解説を読む ›
  8. 20持参金の話 The Dowry卿が持参したロケットには、黒い髪と大きな瞳を持つハティの象牙細密画が収められていた。ホームズは肖像を長く眺め、ロンドンでの再会から婚約までを確かめる。質問は、結婚に伴う金銭と、式の前日に見た花嫁の様子へ進む。解説を読む ›
  9. 21式の朝 The Wedding Morning持参金について詳しく調べていないという卿に、ホームズは式の前日の様子を尋ねる。ハティは将来の暮らしを楽しげに語り、気分よく過ごしていたらしい。探偵が知りたいのは、その明るさが式の朝にも続いていたかどうかである。解説を読む ›
  10. 22小さな出来事 A Trifling Incident式の朝もハティは明るかったが、挙式後には、卿が初めて見る鋭い気性の兆しがあった。卿は事件と関係のない、話すほどでもない出来事だと考えている。ホームズは些細に見えることも省かず聞くため、具体的な説明を促す。解説を読む ›
  11. 23教会の男 The Man in the Pew教会の控室へ向かう途中、ハティは前列の会衆席へ花束を落とし、そこにいた男性から返してもらった。その後の彼女は卿の言葉に鋭く答え、馬車でも落ち着かなかったという。ホームズはまず、花束を拾った男性が妻の知人だったか確かめる。解説を読む ›
  12. 24親しい侍女 The Confidential Maid会衆席の男性は、妻の友人ではなく、卿には目立たない一般の参列者に見えていた。話題はドラン家へ戻ってからの花嫁へ移り、彼女がアメリカから連れてきた侍女アリスと話していたことが分かる。ホームズは二人の関係の近さを尋ねる。解説を読む ›
  13. 25朝食の席へ Into the Breakfast Roomハティと侍女アリスは親しく、卿には主人と使用人の距離を越えているように見えた。短い会話の中では、採掘権の横取りを指すアメリカの俗語も聞こえている。ホームズはその表現を心に留め、会話を終えた花嫁が次にどこへ向かったか尋ねる。解説を読む ›
  14. 26フローラとの関係 The Connection with Flora朝食室へ一人で入ったハティは、席に着いて十分ほどで詫びを述べて退き、そのまま戻らなかった。侍女の証言では外套を着て外出し、公園ではフローラと歩く姿が見られている。ホームズは、卿とフローラの関係を詳しく聞こうとする。解説を読む ›
  15. 27疑いの行方 The Course of Suspicion卿はフローラと数年来親しく、結婚を知った彼女から激しい手紙を受け取っていた。式後にはドラン家の玄関で騒ぎを起こしたが、花嫁はそれを聞いていないはずである。それでも二人が一緒に歩く姿を見たとの情報を、警察は重く見ている。解説を読む ›
  16. 28卿自身の推測 His Lordship's Theoryレストレードは、嫉妬したフローラが花嫁を誘い出した可能性を疑っている。ホームズは可能性は認めても、確からしいとは言っていない。卿自身もフローラが人を傷つけるとは思えず、探偵へ理論を求めている。そこでホームズは、依頼人自身の見立てを尋ねる。解説を読む ›
  17. 29最後の質問 The Final Question卿は、急な身分の変化が妻を動揺させ、心の均衡を失わせた可能性を挙げた。ホームズはその仮説もあり得るとして、最後に朝食室の窓から見える範囲を確かめる。道路の反対側と公園を見渡せるとの答えを得たところで、聞き取りは終わりに近づく。解説を読む ›