Scene 44 · Notes

解説 場面 44「西部の婚約」

この場面の解説

ハティは鉱山の野営地でフランクと出会い、父の反対を受けた過去を語る。二人は密かに結婚し、フランクは財産を築いて戻るまで夫と名乗らないと約束して旅立った。

表現・文法のポイント

of our engagement lasting any longer
our engagement lasting any longerは、父が二人の婚約がこれ以上続くことを認めなかったという意味である。
Why shouldn't we be married
Why shouldn't we be marriedは結婚を禁じる理由がないとして、「今すぐ結婚しよう」と提案する修辞疑問である。

全文の対訳

"Then I'll tell our story right away," said the lady. "Frank here and I met in '84, in McQuire's camp, near the Rockies, where Pa was working a claim. We were engaged to each other, Frank and I; but then one day father struck a rich pocket and made a pile, while poor Frank here had a claim that petered out and came to nothing. The richer Pa grew the poorer was Frank; so at last Pa wouldn't hear of our engagement lasting any longer, and he took me away to 'Frisco. Frank wouldn't throw up his hand, though; so he followed me there, and he saw me without Pa knowing anything about it. It would only have made him mad to know, so we just fixed it all up for ourselves. Frank said that he would go and make his pile, too, and never come back to claim me until he had as much as Pa. So then I promised to wait for him to the end of time and pledged myself not to marry anyone else while he lived. 'Why shouldn't we be married right away, then,' said he, 'and then I will feel sure of you; and I won't claim to be your husband until I come back?' Well, we talked it over, and he had fixed it all up so nicely, with a clergyman all ready in waiting, that we just did it right there; and then Frank went off to seek his fortune, and I went back to Pa.

「それなら、すぐに私たちの話をするわ」と彼女は言った。「ここにいるフランクと私は、ロッキー山脈の近くにあるマクワイアの野営地で、八四年に出会ったの。そこでは父さんが採掘権を持つ鉱区を稼働させていた。フランクと私は婚約していたわ。でもある日、父さんが金の豊富な鉱脈に当たってひと財産築いた一方で、可哀そうなフランクの鉱区は掘り尽くされ、何も残らなかった。父さんが豊かになるほど、フランクは貧しくなっていった。だからついに父さんは、私たちの婚約をこれ以上続けることなど聞く耳を持たず、私をサンフランシスコへ連れて行ったの。でもフランクは諦めなかった。私を追ってそこへ来て、父さんに知られずに私と会ったの。知らせれば父さんを怒らせるだけだから、私たちだけですべての段取りを決めたわ。フランクは、自分もひと財産築き、父さんと同じくらい持つまでは、私を迎えに戻らないと言った。だから私は、いつまでも彼を待ち、彼が生きているうちはほかの誰とも結婚しないと誓ったの。すると彼が言ったの。『じゃあ、どうして今すぐ結婚してしまわないんだ。そうすれば君のことで安心できるし、戻ってくるまでは君の夫だと名乗らないよ』って。それで私たちはよく話し合った。彼は待ってくれている牧師まできちんと手配して、すべてをそれほど見事に整えていたから、私たちはその場で本当に結婚したの。それからフランクは一旗揚げようと旅立ち、私は父さんのもとへ戻ったわ」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • clergyman(クラージマン)… 牧師・聖職者難
  • engagement(エンゲイジメント)… 婚約・約束
  • shouldn't(シュドゥント)… 〜してはいけない・〜しない理由はない
  • promised(プロミスト)… 約束した
  • engaged(エンゲイジド)… 〜に取り組んでいた(be engaged in)・婚約していた・雇われた・予約された・婚約した・忙しい
  • petered(ピータード)… 次第に尽きた
  • lasting(ラースティング)… 続くこと
  • pledged(プレッジド)… 誓約している・誓った

次の場面:途絶えた便り News That Ceased

ハティとフランクは一八八四年、ロッキー山脈近くの採掘キャンプで出会い、婚約した。父が金脈を当てて富を増す一方、フランクは財産を築いて戻るまで夫だと名乗らない約束で、彼女とひそかに結婚して旅立っている。その後の便りが語られる。