Scene 49 · Notes

解説 場面 49「冷たい握手」

この場面の解説

卿は長い話を聞いても硬い態度を崩さず、求められて冷たく握手する。ホームズの夕食の誘いも断り、事態を受け入れても喜ぶことはできないと言って去る。

表現・文法のポイント

these recent developments, but I can
recent developmentsは個々の開発ではなく、直前に判明した一連の事態の展開を指す。
with your permission I will now
with your permissionは形式的に相手の許しを求め、退出の挨拶へ移る表現である。

全文の対訳

Lord St. Simon had by no means relaxed his rigid attitude, but had listened with a frowning brow and a compressed lip to this long narrative.

セント・サイモン卿は硬い態度を少しも緩めず、眉をひそめ、唇を真一文字に結んだまま、この長い話を聞いていた。

"Excuse me," he said, "but it is not my custom to discuss my most intimate personal affairs in this public manner."

「失礼ですが」と彼は言った。「これほど内密な私事を、このように人前で話し合うのは私の習慣ではありません」

"Then you won't forgive me? You won't shake hands before I go?"

「じゃあ、私を許してくれないの?私が行く前に握手もしてくれないの?」

"Oh, certainly, if it would give you any pleasure." He put out his hand and coldly grasped that which she extended to him.

「ああ、むろんです。それがあなたに何か喜びを与えるのであれば」彼は手を差し出し、彼女の差し出した手を冷たく握った。

"I had hoped," suggested Holmes, "that you would have joined us in a friendly supper."

「あなたも私たちと、和やかな夕食の席を共にしてくださるものと期待していたのですが」とホームズはほのめかした。

"I think that there you ask a little too much," responded his Lordship. "I may be forced to acquiesce in these recent developments, but I can hardly be expected to make merry over them. I think that with your permission I will now wish you all a very good-night." He included us all in a sweeping bow and stalked out of the room.

「それは少々求めすぎでしょう」と卿は答えた。「このたびの成り行きをやむなく受け入れることになっても、それを喜んで祝うことまで私に期待されては困ります。お許しいただき、これで皆さんにおやすみの挨拶をさせていただきます」彼は私たち一同へ大きく一礼し、大股で部屋を出て行った。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • rigid(リジッド)… こわばった・硬直した・こわばった・堅い難
  • brow(ブラウ)… 丘の頂・額・額(ひたい)・眉難
  • developments(ディヴェロップメンツ)… 事態の展開
  • compressed(コンプレスト)… 固く閉じた・圧縮した
  • permission(パーミッション)… 許可
  • narrative(ナラティヴ)… 話・物語・語り
  • suggested(サジェスティッド)… (印象を)感じさせた・提案した
  • responded(リスポンディッド)… 反応した・応じた・返事をした(respond の過去形)

次の場面:夕食への招待 An Invitation to Supper

ハティの手を冷たく握ったセント・サイモン卿は、ホームズから夕食へ誘われても加わらず、全員へ一礼して221Bを去った。五人分に整えられた食卓には席が残っている。ホームズは、少なくともモールトン夫妻には自分たちと一緒に過ごすよう勧める。