ワトソンは新聞の名前と日付を書き留める。一八九〇年四月二十七日付のモーニング・クロニクル紙、ちょうど二か月前のものだ。いよいよウィルソン氏が身の上を語り出す。シティの近くで小さな質屋を営んでいるが、商売はやっと食べていける程度で、今は店の仕事を覚えたいという助手を一人、半分の給金で雇っているだけだという。
"It is The Morning Chronicle of April 27, 1890.「一八九〇年四月二十七日付のモーニング・クロニクル紙だね。
Just two months ago."ちょうど二か月前だ」
"Well, it is just as I have been telling you, Mr. Sherlock Holmes," said Jabez Wilson, mopping his forehead; "I have a small pawnbroker's business at Coburg Square, near the City.「ええ、さっきからお話ししているとおりでしてね、シャーロック・ホームズさん」とジェイベズ・ウィルソンは額の汗をぬぐいながら言った。「私はシティの近くのコバーグ・スクエアで、小さな質屋を営んでおりまして。
It's not a very large affair, and of late years it has not done more than just give me a living.たいした店じゃありませんし、ここ数年は、どうにか食べていけるくらいの稼ぎしかありません。
I used to be able to keep two assistants, but now I only keep one; and I would have a job to pay him but that he is willing to come for half wages so as to learn the business."以前は店員を二人置いておけたんですが、今は一人だけでして。それも、商売を覚えたいからと給金半分で来てくれるからいいようなもので、そうでなけりゃ給金を払うのにひと苦労ですよ」