Scene 34 · Notes

解説 場面 34「助手について」

この場面の解説

ホームズは、広告を最初にウィルソンに見せた助手について質問を始める。助手は当時働き始めてひと月ほどで、求人広告に応じた十二人ほどの中から、気が利いて給金が安いという理由で選ばれたのだった。

表現・文法のポイント

We shall endeavour to clear up these points for you.
endeavour(米 endeavor)は「努める」の改まった語で、try よりずっと堅い。clear up は「(疑問や謎を)解き明かす」、points は「(話の中の)問題点」。we はホームズが自分とワトソンを合わせて言う言い方。
who first called your attention to the advertisement
call 人's attention to ~ で「人の注意を~に向けさせる」。「あの広告に最初に気づかせた」助手、ということ。draw attention to ~ も同じ意味で使う。ホームズは広告そのものより、それを持ち込んだ人物に関心を向けている。
In answer to an advertisement.
in answer to ~ は「~に応じて、~への返事として」。ここでは求人広告に応募してきたということ。組合の話も新聞広告から始まっていて、ここでまた advertisement という語が出てくる。
would come cheap
come cheap は「安く手に入る、安く雇える」。cheap は形容詞だが、come のあとで副詞のように働いている。would は過去から見た意志で「(安い給金でも)来てくれる」という意味になる。

全文の対訳

"We shall endeavour to clear up these points for you. And, first, one or two questions, Mr. Wilson. This assistant of yours who first called your attention to the advertisement—how long had he been with you?"

「そうした点は、我々が解き明かすよう努めるとしよう。まずは、一つ二つ質問させてもらうよ、ウィルソンさん。あの広告に最初にあなたの目を向けさせた助手だが――そのとき、彼はあなたのところに来てどのくらいだったのかね?」

"About a month then."

「その時で、ひと月ほどでした」

"How did he come?"

「どういういきさつで来たのかね?」

"In answer to an advertisement."

「求人広告に応募してきたんです」

"Was he the only applicant?"

「応募してきたのは彼ひとりかね?」

"No, I had a dozen."

「いいえ、十二人ほど来ました」

"Why did you pick him?"

「なぜ彼を選んだのかね?」

"Because he was handy and would come cheap."

「気が利くうえに、安い給金で来てくれるというもんでして」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • endeavour(インデヴァー)… 努める・努力する(英式つづり。米 endeavor)難
  • advertisement(アドヴァーティスメント)… 広告
  • assistant(アシスタント)… 助手・店員
  • applicant(アプリカント)… 応募者・志願者
  • dozen(ダズン)… 1ダース・十数(の)
  • handy(ハンディ)… 役に立つ・便利な・(人が)器用な・気が利く・手近な

次の場面:額の白いしみ The Acid Splash

広告に応じてきた十二人ほどの中から、ウィルソンは気が利いて給金の安い男を助手に選んだ。半分の給金でも喜んで働く、その奇特な助手ヴィンセント・スポールディングとは、どんな男なのか。ホームズは彼の見た目を詳しく尋ねる。ウィルソンの答えのある一点に、ホームズは思わず身を起こす。