この場面の本文と訳
倒れた紳士のけがはひどいのかと、アイリーン・アドラーが尋ねる。死んでいると叫ぶ者もいれば、まだ息があると言う者もいる。ある女は、この人がいなければ奥様は財布も時計も奪われていたと言う。通りに寝かせてはおけないと人々が言うと、彼女はすぐさま居間のソファへ運び入れるよう案内する。
"Is the poor gentleman much hurt?" she asked.「お気の毒に、その方はひどいおけがですか?」と彼女は尋ねた。
"He is dead," cried several voices.「死んでいる」と何人もの声が叫んだ。
"No, no, there's life in him!" shouted another.「いや、いや、まだ息があるぞ!」と別の者が叫んだ。
"But he'll be gone before you can get him to hospital."「だが、病院に運ぶ前に死んじまうだろう」
"He's a brave fellow," said a woman.「勇敢な人だよ」と一人の女が言った。
"They would have had the lady's purse and watch if it hadn't been for him.「この人がいなかったら、奥様は財布も時計も取られていたよ。
They were a gang, and a rough one, too.あいつらは一味で、しかも荒っぽい連中だった。
Ah, he's breathing now."ああ、ほら、息をしてる」
"He can't lie in the street.「通りに寝かせておくわけにはいかねえ。
May we bring him in, marm?"中へ運び込んでもいいですかい、奥さん?」
"Surely.「もちろんです。
Bring him into the sitting-room.居間へ運んでください。
There is a comfortable sofa.座り心地のいいソファがありますから。
This way, please!"こちらです、どうぞ!」