この場面の本文と訳
翌朝、ベイカー街に駆けつけた国王とともに、ホームズとワトソンは箱馬車でふたたびブライオニー荘へ向かう。その車中でホームズは、アイリーン・アドラーが昨日結婚したことを告げる。驚く国王に、彼女が夫を愛しているのなら、それはむしろ陛下にとって好都合なのだと、ホームズは淡々と説いてみせる。
"Irene Adler is married," remarked Holmes.「アイリーン・アドラーは結婚しましたよ」とホームズが言った。
"Married!「結婚しただと!
When?"いつだ」
"But to whom?"「だが、相手は誰なのだ」
"To an English lawyer named Norton."「ノートンという名の、イギリス人の弁護士です」
"But she could not love him."「しかし、あの女がその男を愛せるはずがない」
"I am in hopes that she does."「私は、愛していてほしいと願っています」
"And why in hopes?"「なぜそう願うのだ」
"Because it would spare your Majesty all fear of future annoyance.「そうであれば、陛下はこの先わずらわされる心配が一切なくなるからです。
If the lady loves her husband, she does not love your Majesty.あの方が夫を愛しているなら、陛下を愛してはいないことになります。
If she does not love your Majesty, there is no reason why she should interfere with your Majesty's plan."陛下を愛していないなら、陛下のご計画を邪魔する理由もないわけです」