Scene 02 · Notes

解説 場面 2「駅で落ち合う」

この場面の解説

妻に勧められたワトソンは素早く旅支度をし、パディントン駅へ向かう。ホームズは同行を喜び、頼れる友人がいることの大きさを語る。

表現・文法のポイント

do you good
do someone goodは「人のためになる、体や気分によい」。ここでは妻が、普段の仕事から離れて環境を変えることはワトソンの体によいと言っている。goodは行為をする人の善良さを表しているのではない。
on whom I can thoroughly rely
前置詞onと関係代名詞whomを組み合わせた形で、直前のsomeoneを説明する。rely onは「〜に頼る」であり、ホームズはワトソンを全面的に信頼しているので、その同行が大きな助けになると述べる。

全文の対訳

"Oh, Anstruther would do your work for you. You have been looking a little pale lately. I think that the change would do you good, and you are always so interested in Mr. Sherlock Holmes' cases."

「まあ、仕事はアンスラザー先生が代わってくださるでしょう。最近、あなたは少し顔色が悪いわ。気分を変えたら体にもいいと思うの。それに、あなたはシャーロック・ホームズさんの事件に、いつもあんなに関心を持っているでしょう」

"I should be ungrateful if I were not, seeing what I gained through one of them," I answered. "But if I am to go, I must pack at once, for I have only half an hour."

「彼の事件の一つを通じて得たものを考えれば、関心を持たないほうが恩知らずだろうね」と私は答えた。「でも、行くなら今すぐ荷造りしなければ。三十分しかないから」

My experience of camp life in Afghanistan had at least had the effect of making me a prompt and ready traveller. My wants were few and simple, so that in less than the time stated I was in a cab with my valise, rattling away to Paddington Station. Sherlock Holmes was pacing up and down the platform, his tall, gaunt figure made even gaunter and taller by his long grey travelling-cloak and close-fitting cloth cap.

アフガニスタンでの野営生活の経験は、少なくとも私を、素早く旅支度のできる人間にはしてくれた。必要な物はわずかで簡単なものばかりだったので、言った時間もたたないうちに、旅行かばんを手に辻馬車に乗り、がたがたとパディントン駅へ向かっていた。シャーロック・ホームズはホームを行ったり来たりしていた。背が高く、やせて骨張ったその姿は、長い灰色の旅用マントと、頭にぴったりした布の帽子のため、いっそう細く高く見えた。

"It is really very good of you to come, Watson," said he. "It makes a considerable difference to me, having someone with me on whom I can thoroughly rely. Local aid is always either worthless or else biassed. If you will keep the two corner seats I shall get the tickets."

「来てくれて本当にありがたいよ、ワトソン」と彼は言った。「心から頼れる人がそばにいると、私にはずいぶん違うのだ。地元の助力は、いつも役に立たないか、そうでなければ偏っている。隅の席を二つ確保してくれれば、私が切符を買ってこよう」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • valise(ヴァリーズ)… 小型の旅行かばん難
  • gaunt(ゴーント)… やせて骨張った難
  • gaunter(ゴーンター)… いっそうやせて骨張った難
  • travelling-cloak(トラヴリングクロウク)… 旅用マント難
  • biassed(バイアスト)… 偏った・先入観のある難
  • close-fitting(クロウスフィッティング)… 体や頭にぴったりした
  • considerable(コンスィダラブル)… かなりの・相当な
  • ungrateful(アングレイトフル)… 恩知らずな・感謝しない

次の場面:列車の客室 In the Railway Carriage

列車の客室を二人で使うホームズとワトソン。ホームズは新聞の山を調べ、メモを取りながら考えている。レディングを過ぎるころ、話題はこれから向かう事件へ移る。新聞を読んでいないワトソンに、ホームズは記事を通じて把握した事情を話そうとする。