Scene 12 · Notes

解説 場面 12「記事を広げて」

この場面の解説

ワトソンが弱い証拠でも人は処刑されると述べると、ホームズは無実の処刑もあると答える。青年自身の説明を求めたワトソンは、ホームズが示した地元紙の記事を読み始める。

表現・文法のポイント

So they have.
直前のhave been hangedを受ける短い応答で、「確かに、そのとおりだ」と事実を認める。ホームズはワトソンの例を否定せず、続けて無実の人も処刑されたと付け加え、証拠の重さだけで決めない姿勢を示す。
settled myself down
settle oneself downは、体を落ち着けて座るという言い方。ここでは客車の隅で新聞を丁寧に読む準備をしたことを表す。事件が解決したという意味ではなく、ワトソン自身の座り方や姿勢を述べている。

全文の対訳

I shook my head. "Many men have been hanged on far slighter evidence," I remarked.

私は首を振った。「ずっと弱い証拠で絞首刑になった人間も多いよ」と私は言った。

"So they have. And many men have been wrongfully hanged."

「そのとおりだ。そして、無実なのに絞首刑になった人間も多い」

"What is the young man's own account of the matter?"

「その青年自身は、この件をどう説明しているんだい」

"It is, I am afraid, not very encouraging to his supporters, though there are one or two points in it which are suggestive. You will find it here, and may read it for yourself."

「残念だが、味方する人々をあまり勇気づける話ではない。ただ、一つ二つ、考えさせる点がある。ここに載っているから、自分で読んでみるといい」

He picked out from his bundle a copy of the local Herefordshire paper, and having turned down the sheet he pointed out the paragraph in which the unfortunate young man had given his own statement of what had occurred. I settled myself down in the corner of the carriage and read it very carefully. It ran in this way:

彼は新聞の束から地元ヘリフォードシャーの新聞を一部抜き出した。そして紙を折り返し、不運な青年が出来事について自分の言い分を述べた記事を指し示した。私は客車の隅にゆったり座り、その記事をたいへん注意深く読んだ。次のように書かれていた。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • encouraging(エンカリジング)… 勇気づける・励みになる
  • unfortunate(アンフォーチュネット)… 残念な・不運な
  • wrongfully(ロングフリー)… 不当に・誤って
  • supporters(サポーターズ)… 支持する人々・味方する人々
  • suggestive(サジェスティヴ)… (of で)〜を思わせる・示唆的な
  • paragraph(パラグラフ)… (文章の)一節・段落
  • statement(ステイトメント)… 話・陳述・声明
  • slighter(スライター)… より弱い・よりわずかな

次の場面:青年の陳述 The Young Man's Statement

地元紙には、ジェームズ・マッカーシー自身が語った出来事が載っている。留守から戻った日の朝、父が外出する姿を見た青年は、そのあと銃を持って池へ向かった。目撃者の話と本人の説明は、どこで重なるのか。ワトソンは記事の順に、その足取りを追う。