Scene 15 · Notes

解説 場面 15「検視官の問い」

この場面の解説

青年は父の最期の言葉からネズミへの言及だけを聞き取ったと話す。最後の口論の理由については、検視官から不利になると告げられても、答えるのを拒む。

表現・文法のポイント

That is for the court to decide.
forと人・組織、toと動詞を組み合わせ、「それを決めるのは〜の役目だ」と表す。ここでのThatは、口論の内容が悲劇と関係しないという証人の判断。検視官は、本人の言い分だけで関係を除外できないと答える。
prejudice your case
prejudiceはここでは、偏見という名詞ではなく、不利にするという動詞。your caseは証人の法的な立場を指す。検視官は、答えを拒むことが、この先の手続きで青年に不利益をもたらすと注意している。

全文の対訳

"The Coroner: Did your father make any statement to you before he died?

検視官:『亡くなる前に、お父さんはあなたに何か話しましたか。』

"Witness: He mumbled a few words, but I could only catch some allusion to a rat.

証人:『二言三言つぶやきましたが、ネズミのことを何か言ったのだけしか聞き取れませんでした。』

"The Coroner: What did you understand by that?

検視官:『それをどういう意味だと受け取りましたか。』

"Witness: It conveyed no meaning to me. I thought that he was delirious.

証人:『私には何の意味も分かりませんでした。うわごとを言っているのだと思いました。』

"The Coroner: What was the point upon which you and your father had this final quarrel?

検視官:『お父さんとの最後の口論は、何についてだったのですか。』

"Witness: I should prefer not to answer.

証人:『お答えしないでおきたいのですが。』

"The Coroner: I am afraid that I must press it.

検視官:『残念ですが、答えていただかなければなりません。』

"Witness: It is really impossible for me to tell you. I can assure you that it has nothing to do with the sad tragedy which followed.

証人:『どうしてもお話しできません。そのあとに起きた痛ましい悲劇とは何の関係もないと、はっきり申し上げられます。』

"The Coroner: That is for the court to decide. I need not point out to you that your refusal to answer will prejudice your case considerably in any future proceedings which may arise.

検視官:『それを決めるのは法廷です。答えを拒めば、この先に起こるかもしれない法的な手続きで、あなたの立場が相当不利になるのは、言うまでもありません。』

"Witness: I must still refuse.

証人:『それでも、お答えはできません。』

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • coroner(コロナー)… 検視官・検死官難
  • allusion(アリュージョン)… ほのめかし・言及難
  • delirious(デリリアス)… うわごとを言う・錯乱した難
  • prejudice(プレジュディス)… 不利にする・偏見難
  • considerably(コンスィダラブリー)… かなり・相当に
  • proceedings(プロスィーディングズ)… 法的な手続き・訴訟手続き・成り行き・一連の出来事・訴訟手続き
  • statement(ステイトメント)… 話・陳述・声明
  • conveyed(コンヴェイド)… (意味や内容を)伝えた・意味を持っていた・運ばれた・伝えられた

次の場面:尋問の続き Further Questions

検視官は、父と息子の間の合図について、声が聞こえた時点を確かめようとする。さらに陪審員も問いを挟み、父のもとへ戻ったときに何を見たかを尋ねる。青年の記憶に残るものと、はっきりとは言えないもの。その違いが尋問の中で問われていく。