Scene 35 · Notes

解説 場面 35「農場に着いて」

この場面の解説

ホームズは亡き主人と息子のブーツを見せてもらい、何か所からも念入りに寸法を測る。息子の靴は事件当日のものではなく、調べを終えた一行は、中庭から池へ続く小道を進む。

表現・文法のポイント

though not the pair which he had then had
thoughは前の内容に制限を加える「もっとも〜ではない」。pairは息子のブーツ一足を指し、thenは事件当時を受ける。見せてもらった息子の靴が、あのとき履いていた実物ではないことを明示している。
from seven or eight different points
fromはここでは出発地ではなく、測る位置や観点を示す。ホームズは靴を一度だけ測ったのではなく、七、八か所から注意深く寸法を確かめている。次に中庭へ出る前の、調査の手順として描かれる。

全文の対訳

"Yes, that is it." It was a widespread, comfortable-looking building, two-storied, slate-roofed, with great yellow blotches of lichen upon the grey walls. The drawn blinds and the smokeless chimneys, however, gave it a stricken look, as though the weight of this horror still lay heavy upon it. We called at the door, when the maid, at Holmes' request, showed us the boots which her master wore at the time of his death, and also a pair of the son's, though not the pair which he had then had. Having measured these very carefully from seven or eight different points, Holmes desired to be led to the court-yard, from which we all followed the winding track which led to Boscombe Pool.

「ああ、あれだ」広々とした、住み心地のよさそうな二階建ての建物で、屋根は粘板岩、灰色の壁には黄色い地衣類の大きな斑が広がっていた。だが、下ろされたブラインドと煙の立たない煙突は、あの惨事の重みがまだのしかかっているような、打ちひしがれた印象を与えていた。戸口を訪ねると、女中はホームズの頼みで、主人が死んだときに履いていたブーツと、息子のブーツも一足見せてくれた。もっとも、息子のほうは、あのとき履いていたものではなかった。これらを七、八か所からたいへん念入りに測ったあと、ホームズは中庭へ案内してほしいと頼んだ。そこから私たちは皆、ボスコム池へ続く曲がりくねった小道をたどった。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • slate-roofed(スレイトルーフト)… 粘板岩の屋根の難
  • blotches(ブロッチズ)… 不規則な大きな斑点(複数)難
  • lichen(ライケン)… 地衣類難
  • stricken(ストリックン)… 打ちひしがれた・打撃を受けた難
  • comfortable-looking(カンフタブルルッキング)… 住み心地や居心地がよさそうな
  • two-storied(トゥーストーリッド)… 二階建ての(英では two-storeyed とも書く)
  • widespread(ワイドスプレッド)… (建物が)横に広がった・広範な・広く行き渡った・広範な
  • court-yard(コートヤード)… 中庭

次の場面:野を歩む Across the Meadows

農場から池へ向かう小道で、ホームズの様子は、ベイカー街で考え事をするときとは大きく違っている。地面へ目を向け、進んだり止まったりしながら歩く。ワトソンとレストレードはその後を追うが、目の前の調べに抱く思いは同じではない。