Scene 42 · Notes

解説 場面 42「それぞれの方法」

この場面の解説

レストレードはまだホームズの説を信じず、現実的な陪審員を相手にしなければならないと言う。別々の方法で進めようと答えたホームズは、謎は解けており、夕方にはロンドンへ戻るつもりだと告げる。

表現・文法のポイント

all very well, but
all very wellは、相手の話を一応認めつつ、but以下で実際上の問題を持ち出す言い方。ここではレストレードが理論だけでは済まず、現実的な陪審員を納得させる必要があると、ホームズへ言い返している。
Nous verrons
フランス語で「そのうち分かるだろう」という意味の短い返事。ホームズは、疑うレストレードに対してその場で議論を長引かせず、それぞれの方法で調べるという次の言葉へつなげている。

全文の対訳

Lestrade laughed. "I am afraid that I am still a sceptic," he said. "Theories are all very well, but we have to deal with a hard-headed British jury."

レストレードは笑った。「悪いが、私はまだ信じられないね」と彼は言った。「説はいくらでも結構だが、相手にしなければならないのは、現実的なイギリスの陪審員たちだ」

"Nous verrons," answered Holmes calmly. "You work your own method, and I shall work mine. I shall be busy this afternoon, and shall probably return to London by the evening train."

「まあ、いずれ分かるよ」とホームズは落ち着いて答えた。「きみは自分のやり方でやり、私は私のやり方でやろう。午後は忙しくなるし、たぶん夕方の列車でロンドンへ戻るだろう」

"And leave your case unfinished?"

「事件を未解決のまま残してかね」

"No, finished."

「いや、解決してからだ」

"But the mystery?"

「だが、謎は」

"It is solved."

「解けている」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • sceptic(スケプティック)… 疑う人・懐疑的な人難
  • nous(ヌー)… 私たちは(フランス語)難
  • verrons(ヴェロン)… 見るだろう(フランス語。nous verronsでいずれ分かる)難
  • hard-headed(ハードヘッディッド)… 現実的な・実際的な
  • unfinished(アンフィニッシュト)… 未完成の・未解決の
  • theories(スィアリーズ)… 理論・説(複数)
  • mystery(ミステリー)… 謎・不可解なこと・推理小説
  • method(メソッド)… 方法・やり方

次の場面:別れ際の会話 Words Before Parting

捜索について意見を交わしたあとも、レストレードにはまだ尋ねたいことがある。ホームズの説明した人物を、実際にはどう見つければよいのか。馬車は捜査官の下宿へ近づいている。短い別れの前に、二人は調査をめぐる考えの違いを確かめ合う。