Scene 59 · Notes

解説 場面 59「語り終えて」

この場面の解説

ターナーが供述書に署名すると、ホームズは自分が裁く立場ではないと述べる。健康を考えて何もしないが、若いマッカーシーに有罪判決が下れば告白を使い、そうでなければ秘密を守ると約束する。

表現・文法のポイント

a higher court than the Assizes
巡回裁判より高い法廷という言い方で、間近に迫った死と、その後に受ける神の裁きをほのめかしている。現実の上訴先の名称を説明しているのではない。健康状態に触れた直後のホームズの言葉として読む。
If not, it shall never be seen by mortal eye
If notは直前の、マッカーシーに有罪判決が下るという条件を否定して受ける。itはターナーの告白。そうでなければ誰にも見せないと、ホームズが約束している。mortal eyeは人間の目という意味である。

全文の対訳

"Well, it is not for me to judge you," said Holmes as the old man signed the statement which had been drawn out. "I pray that we may never be exposed to such a temptation."

「さて、私があなたを裁く立場ではありません」とホームズは、老人が書き上げられた供述書に署名する間に言った。「私たちが、決してそのような誘惑にさらされないよう祈ります」

"I pray not, sir. And what do you intend to do?"

「私もそう祈ります。それで、どうなさるおつもりですか」

"In view of your health, nothing. You are yourself aware that you will soon have to answer for your deed at a higher court than the Assizes. I will keep your confession, and if McCarthy is condemned I shall be forced to use it. If not, it shall never be seen by mortal eye; and your secret, whether you be alive or dead, shall be safe with us."

「あなたの健康を考えれば、何もしません。巡回裁判よりも高い法廷で、自分のしたことについて間もなく責任を問われるのは、ご自分でもお分かりでしょう。告白は私が保管し、もしマッカーシーに有罪の判決が下れば、使わざるを得ません。そうでなければ、人間の目に触れることは決してありません。あなたの生死にかかわらず、秘密は私たちが守ります」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • assizes(アサイズィズ)… 巡回裁判(昔のイギリスで地方を回って開かれた裁判)難
  • condemned(カンデムド)… 有罪を宣告された・死刑を宣告された難
  • mortal(モータル)… 人間の・死すべき難
  • temptation(テンプテイション)… 誘惑
  • confession(コンフェッション)… 自白・告白
  • statement(ステイトメント)… 話・陳述・声明
  • exposed(イクスポウズド)… さらされた・さらした
  • forced(フォースト)… (be forced to で)〜せざるをえない・強いられた(force の過去分詞)・(forced open で)こじ開けられた

次の場面:別れの挨拶 Words of Farewell

宿の客間で長く続いた会話が終わり、来客は別れの言葉を述べる。ホームズとワトソンはその挨拶を受ける。残された部屋に沈黙が戻ると、ホームズは今回の出来事を振り返る。語り手のワトソンは、さらに、その後の人々の消息についても記していく。