Scene 10 · Notes

解説 場面 10「奇妙な役目」

この場面の解説

子供の世話に加え、妻の言いつけに従うことも仕事だと男は説明する。夫妻が与える服を着ることや、指定された場所に座ることも条件として示される。

表現・文法のポイント

provided always that
「ただし常に〜という条件で」。どんな命令でもなく、淑女が従える範囲だと男は体裁を整えている。
make myself useful
「役に立つよう努める」。職務を柔軟に引き受ける意思を、ハンターが控えめに答える表現である。

全文の対訳

"I was a little startled at the nature of the child's amusement, but the father's laughter made me think that perhaps he was joking.

「子供の遊びにしては少しぎょっとするような内容でしたが、父親が笑っているので、冗談なのかもしれないと思いました。

"'My sole duties, then,' I asked, 'are to take charge of a single child?'

「『では私の仕事は、そのお子さん一人のお世話だけでしょうか』と尋ねました。

"'No, no, not the sole, not the sole, my dear young lady,' he cried. 'Your duty would be, as I am sure your good sense would suggest, to obey any little commands my wife might give, provided always that they were such commands as a lady might with propriety obey. You see no difficulty, heh?'

「『いやいや、それだけではありません、それだけではありませんよ、お嬢さん』と男は叫びました。『あなたの良識でも当然お分かりになると思いますが、妻から何かちょっとした言いつけがあれば、それに従うことも仕事です。もちろん、淑女が従って差し支えないような言いつけに限ります。何も難しいことはありませんね?』

"'I should be happy to make myself useful.'

「『お役に立てるなら喜んで』

"'Quite so. In dress now, for example. We are faddy people, you know—faddy but kind-hearted. If you were asked to wear any dress which we might give you, you would not object to our little whim. Heh?'

「『そのとおり。たとえば、服装についてです。私たちは少々好みがうるさくてね――気まぐれですが、心は優しいのです。こちらから差し上げる服を着てほしいと頼まれても、そのささやかな気まぐれを嫌とはおっしゃらないでしょう。ね?』

"'No,' said I, considerably astonished at his words.

「『はい』と私は、その言葉にひどく驚きながら答えました。

"'Or to sit here, or sit there, that would not be offensive to you?'

「『ある場所に座れ、別の場所に座れと言われても、不快には思いませんね?』

"'Oh, no.'

「『ええ、思いません』

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • kind-hearted(カインドハーティッド)… 心の優しい
  • considerably(コンスィダラブリー)… かなり・相当に
  • difficulty(ディフィカルティー)… 困難・苦労
  • astonished(アストニッシュト)… 驚いた
  • amusement(アミューズメント)… 楽しみ・娯楽
  • propriety(プロプライアティー)… 礼儀上の適切さ
  • offensive(オフェンスィヴ)… 不快な
  • startled(スタートゥルド)… 驚かせた・驚いた・びっくりした

次の場面:髪を切る条件 The Condition About Hair

最後に男が求めたのは、ハンター嬢の美しい栗色の髪を短く切ることだった。妻のちょっとした好みだと説明されても、彼女には受け入れがたい。きっぱり断ると、男は急に態度を変え、ほかの候補者を見ようと席を立つ。