
早春の霧深い朝、家庭教師の職を探すヴァイオレット・ハンターがベイカー街を訪れる。田舎屋敷から届いたのは、破格の給金と引き換えに、服装や座る場所、髪型まで指定する奇妙な申し出だった。決心して勤め始めた彼女は、説明のつかない頼みと閉ざされた棟に疑問を深め、ついにホームズへ電報を送る。

早春の朝、ホームズとワトソンが事件記録の価値を論じていると、若い家庭教師ヴァイオレット・ハンターが相談に訪れる。田舎屋敷での新しい職は、生活に困る彼女には魅力的な給金を約束していた。しかし雇い主が示した仕事の条件には、家庭教師の務めとは思えない細かな注文が並んでいる。

ハンター嬢が屋敷へ向かってからしばらく便りはなかった。ある深夜、ベイカー街へ短い電報が届き、ホームズとワトソンは翌朝の列車に乗る。春の光に満ちた田園と、畑の間に点在する家々を眺めながら、二人は人目から離れた場所に潜む危険と、依頼人を急がせた事情を考える。

ウィンチェスターの宿で待っていたハンター嬢は、ぶな屋敷で過ごした日々を順に語る。青い服、窓に背を向けた椅子、夜の庭、寝室の引き出し、そして閉ざされた棟。別々に見える出来事は少しずつ重なり、彼女は自分だけでは確かめられない何かが屋敷にあると感じていた。

夕方七時、ホームズとワトソンはハンター嬢とともにぶな屋敷へ入る。夫妻は外出し、使用人たちも計画どおり動きを封じられている。三人は階段を上がり、これまで近づけなかった棟の扉を開く。薄暗い廊下の先で待っているものを確かめるため、奥の部屋へ進んでいく。