Scene 19 · Notes

解説 場面 19「翌朝の列車」

この場面の解説

電報は翌日の正午にウィンチェスターの宿へ来てほしいという切迫した呼び出しだった。ホームズとワトソンは九時半の列車で向かうことにし、ホームズは化学実験を延期する。

表現・文法のポイント

at my wit's end
ハンターが再び用いる「途方に暮れている」。以前の失職時よりも、今回は屋敷での危機を伝える。
at our best
「最良の状態で」。翌朝の事件に備え、夜通しの実験を避けて判断力を保とうとしている。

全文の対訳

"Just look up the trains in Bradshaw," said he, and turned back to his chemical studies.

「ブラッドショーで列車を調べてくれ」と彼は言い、化学実験へ戻った。

The summons was a brief and urgent one.

呼び出しの文面は短く、切迫していた。

"Please be at the Black Swan Hotel at Winchester at midday to-morrow," it said. "Do come! I am at my wit's end.

「明日の正午、ウィンチェスターのブラック・スワン・ホテルへお越しください」と書かれていた。「どうか来てください。もう途方に暮れています。

"HUNTER."

ハンター」

"Will you come with me?" asked Holmes, glancing up.

「一緒に来るかい?」とホームズは顔を上げて尋ねた。

"I should wish to."

「ぜひ行きたい」

"Just look it up, then."

「では、調べてくれ」

"There is a train at half-past nine," said I, glancing over my Bradshaw. "It is due at Winchester at 11:30."

「九時半発の列車がある」と私はブラッドショーへ目を落として言った。「ウィンチェスターには十一時半着だ」

"That will do very nicely. Then perhaps I had better postpone my analysis of the acetones, as we may need to be at our best in the morning."

「それなら申し分ない。では、アセトンの分析は延期したほうがよさそうだ。朝には万全の状態でいる必要があるかもしれない」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • chemical(ケミカル)… 化学の・化学薬品
  • glancing(グラーンスィング)… ちらりと見ながら・ちらっと見ること
  • postpone(ポウストポウン)… 延期する・後回しにする
  • analysis(アナラスィス)… 化学分析・分析
  • acetones(アスィトウンズ)… アセトン類
  • studies(スタディーズ)… 研究・学業
  • summons(サモンズ)… 呼び出し・招請
  • trains(トレインズ)… 列車

次の場面:春の車窓 The Spring Countryside

翌朝、二人を乗せた列車はロンドンを離れ、春の田園を走っていく。ワトソンには鮮やかな緑と白い花が新鮮に映るが、ホームズは美しい景色にも別の見方をする。人家が離れて点在する土地を眺め、彼は都市とは違う危うさを考えている。