Scene 10 · Notes

解説 場面 10「海の向こうの便り」

この場面の解説

珍しく外国から来た手紙を開くと、オレンジの種が五つ落ちる。おじは封筒を見て恐怖に襲われ、三つの文字と自分の罪について叫ぶ。

表現・文法のポイント

the laugh was struck from my lips
笑いが唇から「打ち落とされた」という比喩。おじの異様な表情を見た衝撃で、ジョンが急に笑えなくなったことを表す。
my sins have overtaken me
overtakeは追いつくこと。罪を擬人化し、過去の行いの報いが今自分に及んだという、おじ自身の恐怖を表現している。

全文の対訳

"One day—it was in March, 1883—a letter with a foreign stamp lay upon the table in front of the colonel's plate. It was not a common thing for him to receive letters, for his bills were all paid in ready money, and he had no friends of any sort. 'From India!' said he as he took it up, 'Pondicherry postmark! What can this be?' Opening it hurriedly, out there jumped five little dried orange pips, which pattered down upon his plate. I began to laugh at this, but the laugh was struck from my lips at the sight of his face. His lip had fallen, his eyes were protruding, his skin the colour of putty, and he glared at the envelope which he still held in his trembling hand, 'K. K. K.!' he shrieked, and then, 'My God, my God, my sins have overtaken me!'

「ある日、一八八三年三月のことですが、大佐の皿の前の食卓に、外国の切手を貼った手紙が置いてありました。支払いはすべて現金で済ませ、友人も一人もいなかったので、おじが手紙を受け取るのは珍しいことでした。『インドからだ』と取り上げながら言いました。『ポンディチェリーの消印だ。何だというんだ』急いで開くと、中から小さな乾いたオレンジの種が五つ飛び出し、皿の上にぱらぱらと落ちました。私は笑い始めましたが、おじの顔を見た途端、笑いが唇から消えました。下唇は垂れ、目は飛び出し、皮膚はパテのような色になっていました。震える手にまだ持っていた封筒をにらみ、『K・K・K』と叫び、それから『神よ、神よ、おれの罪がとうとう追いついてきた』と言ったのです。

"'What is it, uncle?' I cried.

「『どうしたの、おじさん』と私は叫びました。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • protruding(プロトルーディング)… 突き出している難
  • putty(パティー)… パテ(窓ガラスを留める柔らかい練り物)難
  • colonel's(カーネルズ)… 大佐の
  • hurriedly(ハリッドリー)… 大急ぎで・あわてて
  • trembling(トレムブリング)… 震えている・震え
  • overtaken(オウヴァテイクン)… 追いつかれた・襲われた(overtakeの過去分詞)
  • postmark(ポウストマーク)… 消印
  • pattered(パタード)… ぱらぱらと落ちた・軽い足音を立てた

次の場面:三つの文字 Three Letters

朝の食卓で起きたことを見て、少年ジョンはおじに問いかける。封筒に隠された意味は、まだ分からない。おじの強い反応と、内側に記された三つの文字が、ジョンの心に残る。青年はその場にあった物と、おじの行動を順にたどり、ホームズたちへ伝えていく。