Scene 32 · Notes

解説 場面 32「三つの消印」

この場面の解説

消印がいずれも港町であることから、二人は差出人が船に乗っていたと考える。ホームズはさらに、警告と出来事の間隔の違いへ目を向ける。

表現・文法のポイント

on board of a ship
on boardは船などに乗っていること。差出人が港に住んでいると断定するのではなく、船で移動する可能性へつなげている。
between the threat and its fulfilment
between A and Bで二つの出来事の間を示す。fulfilmentはここでは望みの実現ではなく、脅した内容が実行されることを指す。

全文の対訳

"The first was from Pondicherry, the second from Dundee, and the third from London."

「最初はポンディチェリー、二通目はダンディー、三通目はロンドンだった」

"From East London. What do you deduce from that?"

「ロンドンの東部だ。そこから何を推論する」

"They are all seaports. That the writer was on board of a ship."

「全部、港町だね。差出人は船に乗っていたということか」

"Excellent. We have already a clue. There can be no doubt that the probability—the strong probability—is that the writer was on board of a ship. And now let us consider another point. In the case of Pondicherry, seven weeks elapsed between the threat and its fulfilment, in Dundee it was only some three or four days. Does that suggest anything?"

「そのとおり。すでに手掛かりが一つできた。差出人が船に乗っていた可能性が高い、それも極めて高いことには、疑う余地がない。さて、もう一つ考えてみよう。ポンディチェリーの場合は、脅しからその実行まで七週間たっているが、ダンディーではわずか三、四日だった。何か思い当たらないか」

"A greater distance to travel."

「移動する距離が長かった」

"But the letter had also a greater distance to come."

「だが、手紙も遠くから来たのだよ」

"Then I do not see the point."

「それでは、分からないね」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • probability(プロバビリティー)… 見込み・確からしさ
  • fulfilment(フルフィルメント)… 実行・実現・達成
  • seaports(スィーポーツ)… 港町・海港(複数)
  • elapsed(イラプスト)… 経過した
  • suggest(サジェスト)… 思わせる・示唆する・提案する・思いつかせる
  • greater(グレイター)… より大きな・より強い
  • deduce(ディデュース)… 推論する・推理して導き出す
  • writer(ライター)… 差出人・書き手・作家

次の場面:海路の時間 The Time at Sea

手紙と送り主が同じ速さで旅をするとは限らない。ホームズは、遠い港から来た便りについて、さらに考えを進める。何週間もの間隔と、わずか数日の間隔には、どんな違いがあるのか。ワトソンは、海を越える移動に目を向けた友人の説明を、問い返しながら聞いている。