Scene 121 · Notes

解説 場面 121「広間へ入る」

この場面の解説

医師は自宅へ帰り、卿とワトソンは館の広間へ入る。暖炉で体を温めながら、古い梁や窓、紋章などを見回す。

表現・文法のポイント

send for me
人を呼びにやる・来てもらうこと。医師は必要な時には昼夜を問わず呼んでほしいと言い残す。
the high iron dogs
dogsはここでは犬ではなく、暖炉の薪を支える鉄の器具。後ろで薪の火が燃えるという位置関係から読む。

全文の対訳

"You don't mind my driving straight home, Sir Henry?" said Dr. Mortimer. "My wife is expecting me."

「ヘンリー卿、そのまま家へ帰ってもよろしいでしょうか」とモーティマー医師は言った。「妻が待っていますので」

"Surely you will stay and have some dinner?"

「ぜひ、残って夕食を召し上がってください」

"No, I must go. I shall probably find some work awaiting me. I would stay to show you over the house, but Barrymore will be a better guide than I. Good-bye, and never hesitate night or day to send for me if I can be of service."

「いえ、帰らなくては。きっと仕事もいくらか待っています。残って館をご案内したいのですが、バリモアの方がよい案内役でしょう。では、さようなら。お役に立てることがあれば、昼でも夜でも遠慮なく呼んでください」

The wheels died away down the drive while Sir Henry and I turned into the hall, and the door clanged heavily behind us. It was a fine apartment in which we found ourselves, large, lofty, and heavily raftered with huge baulks of age-blackened oak. In the great old-fashioned fireplace behind the high iron dogs a log-fire crackled and snapped. Sir Henry and I held out our hands to it, for we were numb from our long drive. Then we gazed round us at the high, thin window of old stained glass, the oak panelling, the stags' heads, the coats of arms upon the walls, all dim and sombre in the subdued light of the central lamp.

車輪の音が車道へ遠ざかる中、ヘンリー卿と私は広間へ入り、後ろで扉が重く響いて閉じた。立派な部屋だった。広く天井が高く、年月で黒ずんだオークの巨大な角材が、重々しく梁を渡していた。大きな昔風の暖炉では、高い鉄の薪受けの後ろで、薪がぱちぱちとはぜていた。長い馬車の旅で体がかじかんでいたので、ヘンリー卿も私も火へ手をかざした。それから周りを見た。古いステンドグラスの細く高い窓、オークの羽目板、鹿の頭、壁の紋章。中央のランプの抑えた明かりの中で、すべて薄暗く陰気だった。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • baulks(ボークス)… 太い角材・梁難
  • panelling(パネリング)… 壁板・羽目板難
  • sombre(ソンバー)… 陰鬱な・暗い(イギリス式の綴り)難
  • age-blackened(エイジブラックンド)… 年月で黒ずんだ
  • old-fashioned(オウルドファッションド)… 古風な・旧式の
  • expecting(イクスペクティング)… 来るのを待っている・予期している
  • apartment(アパートメント)… (屋敷の)部屋・一室(英の改まった言い方)・(米では)アパート
  • fireplace(ファイアプレイス)… 暖炉

次の場面:先祖の家で In the Ancestral Home

モーティマーの馬車が去り、ヘンリー卿とワトソンは館の広間で暖を取っている。古い窓や壁の装飾には、一族がこの家で過ごしてきた時間が重なる。新しい主人は周囲を眺め、そばにいるワトソンは、家を迎える人と迎えられる人の様子を見ようとしている。