Scene 128 · Notes

解説 場面 128「夜に聞いた声」

この場面の解説

ワトソンは夜のすすり泣きを尋ね、卿も似た音を聞いたと答える。バリモアは、家にいる女二人を挙げ、妻ではないと保証する。

表現・文法のポイント

account for our experience
自分たちが聞いたことを説明すること。account forはここでは理由や原因を示す用法。
I can answer for it
自分が保証できる、という強い言い方。バリモアは妻の声ではありえないと述べる。

全文の対訳

"And yet it was not entirely a question of imagination," I answered. "Did you, for example, happen to hear someone, a woman I think, sobbing in the night?"

「それでも、まったく想像だけの問題ではありませんでした」と私は答えた。「例えば、夜中に誰か、女の人だと思いますが、すすり泣くのを聞きませんでしたか?」

"That is curious, for I did when I was half asleep fancy that I heard something of the sort. I waited quite a time, but there was no more of it, so I concluded that it was all a dream."

「妙ですね。半分眠っていた時、確かにそれらしいものを聞いた気がしました。かなり待ったのに続かなかったので、すべて夢だと結論したんです」

"I heard it distinctly, and I am sure that it was really the sob of a woman."

「私ははっきり聞きましたし、確かに女の人のすすり泣きでした」

"We must ask about this right away." He rang the bell and asked Barrymore whether he could account for our experience. It seemed to me that the pallid features of the butler turned a shade paler still as he listened to his master's question.

「すぐ聞いてみましょう」卿は呼び鈴を鳴らし、あの音を説明できるか、バリモアに尋ねた。主人の質問を聞く執事の青白い顔が、さらに一段青くなった気がした。

"There are only two women in the house, Sir Henry," he answered. "One is the scullery-maid, who sleeps in the other wing. The other is my wife, and I can answer for it that the sound could not have come from her."

「ヘンリー卿、この家に女は二人しかおりません」と彼は答えた。「一人は台所の下働きで、別の翼棟に寝ております。もう一人は妻ですが、妻から出た音でないことは、私が保証いたします」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • scullery-maid(スカラリーメイド)… 台所の下働きの女中難
  • distinctly(ディスティンクトリー)… 明らかに・はっきりと・独特に
  • concluded(コンクルーディッド)… 終えた・結論を出した
  • entirely(エンタイアリー)… すっかり・完全に
  • features(フィーチャーズ)… 特徴・顔立ち・容貌・特徴(複数)
  • master's(マースターズ)… 主人の・持ち主の
  • sobbing(ソビング)… むせび泣き・すすり泣いている
  • curious(キューリアス)… 風変わりな・好奇心の強い・知りたがっている・興味を持った・妙な・奇妙な・好奇心の強い

次の場面:朝の廊下 In the Morning Corridor

夜の声について、バリモアは妻から出たものではないと説明している。だが、ワトソンが自分の耳で聞いたことまで消えるわけではない。朝食後には館の廊下を行き来する時間もある。滞在を始めたばかりの彼は、言葉と身の周りの様子を比べようとしている。