Scene 39 · Notes

解説 場面 39「立ち止まった所」

この場面の解説

小門付近の灰から、医師は卿が五分か十分立っていたと推定する。ホームズはその観察を評価するが、砂利の跡は卿自身のものが入り乱れていたという。

表現・文法のポイント

after our own heart
ホームズがモーティマーを評する言葉で、「自分たちの気にかなう」。心臓のことではなく、灰を観察して判断したやり方への賛意を表す。
I could discern no others
othersは卿以外の足跡を指す。「ほかの跡は見分けられなかった」という観察の限界であり、すべての可能性を排除する証明ではない。

全文の対訳

"Good heaven! Did no one examine?"

「これは驚いた。誰も調べなかったのですか?」

"Yes, I examined, myself."

「いいえ、私が自分で調べました」

"And found nothing?"

「それでも何もなかった?」

"It was all very confused. Sir Charles had evidently stood there for five or ten minutes."

「ひどく入り乱れていました。チャールズ卿は、どうやら五分か十分そこに立っていたのです」

"How do you know that?"

「なぜ分かります?」

"Because the ash had twice dropped from his cigar."

「葉巻の灰が二度落ちていたからです」

"Excellent! This is a colleague, Watson, after our own heart. But the marks?"

「すばらしい。ワトソン、これは私たちの気にかなう仲間だ。ですが、足跡は?」

"He had left his own marks all over that small patch of gravel. I could discern no others."

「あの狭い砂利の一帯は、卿自身の足跡だらけでした。ほかの跡は見分けられませんでした」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • evidently(エヴィデントリー)… 明らかに・見たところ
  • colleague(コリーグ)… 同業者・仕事仲間・同僚・仲間
  • examined(イグザミンド)… 調べた・診察した
  • confused(コンフューズド)… 混乱した・わけの分からない
  • examine(イグザミン)… 調べる・検査する
  • discern(ディサーン)… 見分ける・見て取る
  • heaven(ヘヴン)… 神(Heaven bless you で「あなたに神のお恵みを」)・天国
  • gravel(グラヴル)… 砂利

次の場面:呼ばれなかった探偵 The Detective Not Called

門の周りに残っていたものについて、医師の説明が一区切りしている。ホームズは、出来事の直後に現場へ行けなかったことを考えている。時間の経った地面と、当時の観察にはどのくらい違いがあるのか。二人の見方の隔たりが、会話の表へ出ようとしている。