Scene 47 · Notes

解説 場面 47「階段口の質問」

この場面の解説

モーティマーは再訪の約束を書き留めて出ようとする。ホームズは、怪物の目撃がチャールズ卿の死の前だけだったことを確認し、満足した様子で席へ戻る。

表現・文法のポイント

at the head of the stair
階段の上端のこと。headを人の頭と取らず、ここでは出ていく客をどこで呼び止めたかを示す。
a congenial task
自分の性分や能力に合う仕事。ホームズの静かな満足は、事件がすでに解決したためではなく、取り組みがいのある仕事が来たことによる。

全文の対訳

"I will do so, Mr. Holmes." He scribbled the appointment on his shirt-cuff and hurried off in his strange, peering, absent-minded fashion. Holmes stopped him at the head of the stair.

「そういたします、ホームズさん」彼はシャツの袖口に約束を書きつけ、いつものように人の顔をのぞくような、どこか上の空の変わった様子で、急いで出ていった。ホームズは階段の上で彼を呼び止めた。

"Only one more question, Dr. Mortimer. You say that before Sir Charles Baskerville's death several people saw this apparition upon the moor?"

「もう一つだけ、モーティマー医師。チャールズ・バスカヴィル卿の死の前に、何人かが荒れ地でこの怪物を見たとおっしゃいましたね?」

"Three people did."

「三人が見ています」

"Did any see it after?"

「死の後に見た人は?」

"I have not heard of any."

「誰も聞いていません」

"Thank you. Good-morning."

「ありがとうございます。では、さようなら」

Holmes returned to his seat with that quiet look of inward satisfaction which meant that he had a congenial task before him.

ホームズは席に戻った。自分に向いた仕事を前にした時の、内心の満足を示す静かな顔つきだった。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • apparition(アパリション)… 思いがけない出現・幻影・(突然現れた)怪物のような姿・幽霊・幻難
  • absent-minded(アブサントマインディッド)… うっかりした・上の空の
  • satisfaction(サティスファクション)… 満足・満足を与えるもの
  • appointment(アポイントメント)… 面会の約束
  • shirt-cuff(シャートカフ)… シャツの袖口
  • scribbled(スクリブルド)… 走り書きした(scribble の過去形)
  • congenial(カンジーニアル)… 性に合う・気の合う
  • hurried(ハリッド)… 慌ただしい・急いだ・急いで行った・急いだ

次の場面:一人で考える時間 Time to Think Alone

モーティマーが去り、ベイカー街にはホームズとワトソンが残っている。翌朝までに考える時間はあるが、すぐ二人で外へ出る用件ではない。ワトソンは自分に手伝えることがあるかを尋ね、ホームズがこれからどう過ごすつもりなのかを確かめようとする。