Scene 59 · Notes

解説 場面 59「封を開いて」

この場面の解説

封筒の中には、印刷語を貼り合わせた警告文が入っていた。荒れ地を避けるよう促す文面に、ヘンリー卿は意味と差出人を尋ね、医師は超自然の件との関わりを考える。

表現・文法のポイント

As you value your life or your reason
「命や正気を大事に思うなら」と、警告の条件を強く示す。reasonはここでは理由ではなく、物事を正しく考える理性や正気。
what in thunder
疑問を強める、ヘンリー卿の勢いのある言い方。「一体どういうことか」という調子で、実際の雷を指すのではない。

全文の対訳

"Hum! Someone seems to be very deeply interested in your movements." Out of the envelope he took a half-sheet of foolscap paper folded into four. This he opened and spread flat upon the table. Across the middle of it a single sentence had been formed by the expedient of pasting printed words upon it. It ran:

「ふむ。あなたの動きに、非常に強い関心を持つ者がいるようですね」彼は封筒から、四つ折りにしたフールスキャップ紙の半裁を取り出した。それを広げ、卓上へ平らに置いた。中央には、印刷された単語を貼り合わせる方法で、一つの文が作られていた。文面はこうだった。

As you value your life or your reason keep away from the moor.

命と正気が大事なら荒れ地から遠ざかれ。

The word "moor" only was printed in ink.

『荒れ地』という語だけは、インクの活字体で書かれていた。

"Now," said Sir Henry Baskerville, "perhaps you will tell me, Mr. Holmes, what in thunder is the meaning of that, and who it is that takes so much interest in my affairs?"

「さて、ホームズさん」とヘンリー・バスカヴィル卿は言った。「これが一体どういう意味で、僕のことにそんなに関心を持つのが誰なのか、教えてもらえますか」

"What do you make of it, Dr. Mortimer? You must allow that there is nothing supernatural about this, at any rate?"

「モーティマー医師、どうご覧になりますか。少なくとも、これ自体に超自然のところはないと、お認めになるでしょう?」

"No, sir, but it might very well come from someone who was convinced that the business is supernatural."

「ええ、ですが、この件が超自然のものだと確信している誰かから来たことは、十分にありえます」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • foolscap(フールスキャップ)… フールスキャップ紙(大判の筆記用紙)難
  • expedient(イクスピーディアント)… 手段・方策難
  • supernatural(スーパーナチュラル)… 超自然の
  • half-sheet(ハーフシート)… 紙の半裁・半枚
  • movements(ムーヴメンツ)… 動き・行動
  • convinced(コンヴィンスト)… (be convinced thatで)〜だと確信している・納得している
  • pasting(ペイスティング)… 貼り付けること
  • thunder(サンダー)… (by thunderなどで)何と・一体・雷

次の場面:昨日の新聞 Yesterday's Newspaper

荒れ地に近づかないよう告げる手紙を前に、ヘンリー卿は自分の事情をどこまで皆が知っているのかと問いかける。ホームズは説明を約束しつつ、まずこの紙を調べようとしている。机上の小さな資料を手掛かりに、会話は昨日の新聞へ向かう。