Scene 71 · Notes

解説 場面 71「警告をどう読むか」

この場面の解説

警告は善意とも、立ち去らせる意図とも考えられる。ホームズは、まずヘンリー卿が館へ行くべきかを決めようとするが、危険が人間からか魔物からかは未確定だとする。

表現・文法のポイント

not ill-disposed towards you
「あなたに悪意を抱いてはいない」。ホームズは警告という行為を根拠にするが、ヘンリー卿は別の意図の可能性を挙げる。
that is what we have to find out
thatは危険の出所を指す。何が原因かはこれから調べることで、この時点ではどちらかと決めていない。

全文の対訳

"It seems to show that someone knows more than we do about what goes on upon the moor," said Dr. Mortimer.

「荒れ地で何が起きているか、私たちよりよく知る人がいると示しているようですね」とモーティマー医師は言った。

"And also," said Holmes, "that someone is not ill-disposed towards you, since they warn you of danger."

「それに」とホームズは言った。「危険を警告している以上、その人はあなたに悪意を抱いてはいないことも」

"Or it may be that they wish, for their own purposes, to scare me away."

「あるいは、自分の都合で、僕を怖がらせて遠ざけたいのかもしれない」

"Well, of course, that is possible also. I am very much indebted to you, Dr. Mortimer, for introducing me to a problem which presents several interesting alternatives. But the practical point which we now have to decide, Sir Henry, is whether it is or is not advisable for you to go to Baskerville Hall."

「ええ、もちろん、それもありえます。モーティマー医師、いくつもの興味深い可能性がある問題をご紹介くださり、大変ありがたく思います。ですが、ヘンリー卿、今決めなくてはならない実際の問題は、バスカヴィル館へ行くのがよいのかどうかです」

"Why should I not go?"

「なぜ、行ってはいけないんです?」

"There seems to be danger."

「危険があるようです」

"Do you mean danger from this family fiend or do you mean danger from human beings?"

「一族の魔物からの危険ですか、それとも人間からの危険ですか?」

"Well, that is what we have to find out."

「それこそ、調べなくてはなりません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • indebted(インデッティッド)… 恩を受けて・借りがある難
  • ill-disposed(イルディスポウズド)… 悪意を持つ・好意のない
  • alternatives(オールターナティヴズ)… 選択肢・別の可能性
  • practical(プラクティカル)… 実務にたけた・実際的な・悪ふざけの(practical jokeで)・実際的な・実際的な・実際の
  • advisable(アドヴァイザブル)… 賢明な・勧められる
  • purposes(パーパスィズ)… 目的(複数)・用途
  • presents(プリゼンツ)… (問題などを)示す・突きつける・贈り物
  • beings(ビーイングズ)… (human beings で)人間・生き物(being の複数形)

次の場面:相続人の考え The Heir's View

館へ帰ることに危険があるかもしれないという話を、ヘンリー卿は正面から聞いている。だが、彼自身がその土地をどう考えるかは、まだ本人の言葉で確かめる必要がある。短い面会に多くの事情が集まり、相続人は自分の考えを述べようとしている。