Scene 74 · Notes

解説 場面 74「急いで通りへ」

この場面の解説

ホームズは急いで着替え、ワトソンと客たちを追って外へ出る。ワトソンが呼び止めようかと聞くと、ホームズはそれを止め、二人で歩こうと言う。

表現・文法のポイント

Not a moment to lose
「一瞬も無駄にできない」という省略表現。着替えて客の後を追う行動の速さを伝える。
Not for the world
「絶対にしないでくれ」という強い否定。ここではワトソンの、先を走って客を呼び止める提案への返答。

全文の対訳

"Your hat and boots, Watson, quick! Not a moment to lose!" He rushed into his room in his dressing-gown and was back again in a few seconds in a frock-coat. We hurried together down the stairs and into the street. Dr. Mortimer and Baskerville were still visible about two hundred yards ahead of us in the direction of Oxford Street.

「帽子と靴だ、ワトソン、急げ。一瞬も無駄にできない」彼はガウン姿で自室へ駆け込み、数秒後にはフロックコートに着替えて戻った。私たちは一緒に階段を急いで下り、通りへ出た。モーティマー医師とヘンリー卿は、まだ二百ヤードほど前方、オックスフォード街の方に見えていた。

"Shall I run on and stop them?"

「走って呼び止めようか?」

"Not for the world, my dear Watson. I am perfectly satisfied with your company if you will tolerate mine. Our friends are wise, for it is certainly a very fine morning for a walk."

「とんでもない、親愛なるワトソン。きみが私の連れで我慢してくれるなら、私はきみと一緒で大満足だ。友人たちは賢明だ。散歩には確かに申し分のない朝だからね」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • frock-coat(フロックコウト)… フロックコート(ひざ丈の男性用上着)難
  • dressing-gown(ドレッシングガウン)… ガウン・部屋着
  • direction(ディレクション)… 方向・(推理の)向かう方向・結論の行く先・方角・指示
  • satisfied(サティスファイド)… 納得させた・満足した・満足して
  • tolerate(トラレイト)… 我慢する・許容する
  • hurried(ハリッド)… 慌ただしい・急いだ・急いで行った・急いだ
  • visible(ヴィズィブル)… 目に見える・見えている
  • rushed(ラッシュト)… 駆けつけた・急いだ

次の場面:通りを隔てて Across the Street

ホームズとワトソンは、先に出たヘンリー卿たちの姿を通りで見つけている。追い付いて声を掛けるためではなく、少し距離を置いて歩こうとしているらしい。朝のロンドンには人も車も行き交う。二人は前を行く客と、その周囲の動きへ目を向ける。