Scene 94 · Notes

解説 場面 94「家と土地と財産」

この場面の解説

医師は土地と金銭の相続上の違いを説明する。ヘンリー卿は金も土地と一緒であるべきだと考え、ホームズはデヴォンシャーへ行くことに同意しつつ、単独行は禁じる。

表現・文法のポイント

because that is entailed
ここでは土地の相続先に制限があること。次の金銭の説明では、現在の持ち主が遺言で別の処分をできると述べ、扱いを区別している。
I am of one mind with you
あなたと同じ考えである、という同意。ホームズは移動自体には賛成するが、一人で行かないという条件を加える。

全文の対訳

"He would be the heir to the estate because that is entailed. He would also be the heir to the money unless it were willed otherwise by the present owner, who can, of course, do what he likes with it."

「土地は限嗣相続なので、彼がその相続人になります。金銭も、現在の持ち主が別の遺贈を定めなければ、彼が相続します。もちろん、現在の持ち主は、金銭を自由に処分できます」

"And have you made your will, Sir Henry?"

「ヘンリー卿、遺言は作られましたか?」

"No, Mr. Holmes, I have not. I've had no time, for it was only yesterday that I learned how matters stood. But in any case I feel that the money should go with the title and estate. That was my poor uncle's idea. How is the owner going to restore the glories of the Baskervilles if he has not money enough to keep up the property? House, land, and dollars must go together."

「いいえ、ホームズさん、まだです。時間がありませんでしたし、事情を知ったのは昨日ですから。ですが、いずれにしても、金は爵位と土地に付いていくべきだと思います。亡くなった伯父も、そう考えていました。財産を維持する金がなければ、持ち主はどうやってバスカヴィル家の栄華を取り戻せますか。家、土地、金は一緒でなければならない」

"Quite so. Well, Sir Henry, I am of one mind with you as to the advisability of your going down to Devonshire without delay. There is only one provision which I must make. You certainly must not go alone."

「まったく、そのとおりです。さて、ヘンリー卿、すぐデヴォンシャーへ向かわれるのがよいという点では、私も同意します。ただし、条件が一つあります。決してお一人で行ってはいけません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • entailed(インテイルド)… 相続先を限定された・伴った難
  • provision(プロヴィジョン)… 取り決め・条項・備え・供給難
  • advisability(アドヴァイザビリティー)… 適切さ・賢明かどうか
  • otherwise(アザーワイズ)… ほかの点では・さもないと・そうでなければ
  • property(プロパティー)… 所有物・財産・特性
  • uncle's(アンクルズ)… おじの
  • restore(リストー)… 復興する・元に戻す・(持ち主に)返す・元に戻す
  • glories(グローリーズ)… 栄華・輝かしいもの

次の場面:一人では行かない Someone at His Side

館へ向かうことについて意見がそろう一方、ホームズはヘンリー卿が一人きりにならないよう求めている。頼れる人物が近くにいることと、遠くから訪ねてくることは違う。誰が旅に同行し、どのように支えられるのか。相談は具体的な人選へ向かっている。