Scene 96 · Notes

解説 場面 96「同行者を求めて」

この場面の解説

ホームズは苦境で頼れる同行者としてワトソンを推薦する。驚いたワトソンは、ヘンリー卿の歓迎と冒険への期待を受け、喜んで引き受ける。

表現・文法のポイント

in a tight place
苦しい立場・窮地を表す。物理的に狭い場所にいるのではなく、危険や困難の中で頼れる人物を述べる。
see me through
困難を乗り越えるまで助けること。ヘンリー卿がワトソンに、館での不安な状況を支えてほしいと頼む。

全文の対訳

"Whom would you recommend, then?"

「では、誰を勧めますか?」

Holmes laid his hand upon my arm. "If my friend would undertake it there is no man who is better worth having at your side when you are in a tight place. No one can say so more confidently than I."

ホームズは私の腕に手を置いた。「友人が引き受けてくれるなら、苦境でそばにいてもらうのに、これ以上頼もしい人はいません。私以上に自信を持ってそう言える者もいません」

The proposition took me completely by surprise, but before I had time to answer, Baskerville seized me by the hand and wrung it heartily.

その提案はまったく意外だったが、私が答える暇もなく、ヘンリー卿は私の手をつかみ、心を込めて強く握った。

"Well, now, that is real kind of you, Dr. Watson," said he. "You see how it is with me, and you know just as much about the matter as I do. If you will come down to Baskerville Hall and see me through I'll never forget it."

「いや、それは本当にご親切です、ワトソン先生」と彼は言った。「僕の立場はお分かりでしょうし、この件では僕と同じだけご存じです。バスカヴィル館に来て、切り抜けるまで助けてもらえれば、一生忘れません」

The promise of adventure had always a fascination for me, and I was complimented by the words of Holmes and by the eagerness with which the baronet hailed me as a companion.

冒険の予感には常に心を引かれたし、ホームズの言葉と、準男爵が同行者として熱心に迎えてくれる様子にも、私はうれしくなった。

"I will come, with pleasure," said I. "I do not know how I could employ my time better."

「喜んで参ります」と私は言った。「これ以上よい時間の使い方は、思いつきません」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • proposition(プロポズィション)… 提案・説・主張難
  • wrung(ラング)… (手を)固く握った・絞った(wring の過去形)難
  • complimented(コンプリメンティッド)… ほめた(compliment の過去形)
  • confidently(コンフィダントリー)… 自信を持って
  • fascination(ファスィネイション)… 心を引く魅力・強い興味
  • recommend(レコメンド)… 勧める・推薦する
  • undertake(アンダーテイク)… 引き受ける・着手する
  • eagerness(イーガナス)… 焦り・熱心さ・待ちかねる気持ち・熱意

次の場面:出発の打ち合わせ Arranging the Departure

ワトソンが館へ同行することを承諾し、旅の計画が具体的になり始めている。ホームズはロンドンに残り、友人を送り出す側となる。いつ、どの列車で出るのか。昼の相談を終える前に、四人は出発の都合を合わせようとしている。