Scene 01 · Notes

解説 場面 1「報告の始まり」

この場面の解説

ワトソンは、当時ホームズへ送った手紙を写して出来事をたどると告げる。一枚を除き手紙は残っており、記憶以上に当時の感情と疑念を正確に伝えると考える。

表現・文法のポイント

by transcribing
byに動名詞を続け、どんな手段で出来事をたどるかを示す。ここでは手紙を書き写すことが、後の語りの方法になる。
clear as it is
形容詞を先に出した譲歩の形で、「それほど鮮明ではあっても」。itは事件についての記憶を指し、記憶が手紙より正確だという意味ではない。

全文の対訳

From this point onward I will follow the course of events by transcribing my own letters to Mr. Sherlock Holmes which lie before me on the table. One page is missing, but otherwise they are exactly as written and show my feelings and suspicions of the moment more accurately than my memory, clear as it is upon these tragic events, can possibly do.

ここから先は、いま目の前の卓上にある、私がシャーロック・ホームズ氏に送った手紙を書き写すことで、出来事の経過をたどろう。一枚だけ欠けているが、それ以外は書いたままであり、この悲劇的な事件についての記憶がいくら鮮明でも、その記憶以上に正確に、当時の私の気持ちや疑念を示している。

Baskerville Hall, October 13th.

バスカヴィル館、十月十三日。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • transcribing(トランスクライビング)… 書き写している
  • suspicions(サスピションズ)… 疑い・疑念
  • accurately(アキュラットリー)… 正確に
  • otherwise(アザーワイズ)… ほかの点では・さもないと・そうでなければ
  • feelings(フィーリングズ)… 感情・気持ち
  • possibly(ポッスィブリー)… もしかすると・(否定文で)どうしても・とても(〜ない)・ことによると
  • onward(オンワード)… 前へ・それ以降
  • tragic(トラジック)… 悲劇的な・痛ましい

次の場面:館からの便り From the Hall

十月十三日、バスカヴィル館からホームズへ宛てた報告が始まる。ワトソンは現地で目にする土地の様子を、離れた友に伝えようとしている。館の生活にも近隣の付き合いにも、ロンドンでは知り得なかった顔が少しずつ見えてきている。