
ヘンリー卿とともにバスカヴィル館へ来たワトソンは、荒れ地と近隣の人々を知り始めている。ロンドンに残るホームズへ、見聞きしたことを伝えるのが彼の役目だ。語りは現地から送った手紙と日記をたどり、その時々に何を感じ、どう考えたのかを確かめていく。

館に着いたワトソンは、ホームズへ手紙を書き続けている。荒れ地や近隣の人々について、現地で見聞きしたことを伝えるためだ。語りは、当時の報告そのものをたどる形で進もうとしている。ロンドンを離れた医師が何を感じ、何に気付くのか、その日の記録を開く。

十月十五日、ワトソンは館から次の報告を書き始める。前の手紙で記した夜の出来事には、まだ確かめたい点が残っている。ヘンリー卿を見守り、近隣の人々と付き合う日々の中で何が起きたのか。自分で見たことと、本人から聞いたことを分けながら、記録を続けようとしている。

日中の出来事を書き終えたワトソンは、館での夜の話へ移ろうとしている。執事の行動を確かめるため、ヘンリー卿と相談していたことがある。大きな家が静まる時間に、二人は何を見聞きするのか。手紙の後半で、夜を過ごした順序をたどり始める。

手紙をたどってきた語りは、ワトソンが手元に残した日記へ移る。十月十六日、館には霧と雨の天気が続いている。荒れ地で経験したことを思い返しても、説明のつかない点が多い。ヘンリー卿のそばで暮らしながら、医師は自分の考えと一日の出来事を書き留めようとしている。

日記の記録に続き、語りは十月十八日の出来事へ進む。ワトソンには、町で聞きたい話と、荒れ地で確かめたいことがある。館で待つだけでは進められない調査を、自分の手で動かすときだ。得られた言葉をどうつなぐか考えながら、朝の支度を始めようとしている。

荒れ地の小屋で待っていたワトソンへ、外から聞き慣れた声がかかる。姿を確かめる前に呼びかけられ、彼は驚いている。ここまで一人でたどってきた相手は、いま何を話そうとしているのか。夕暮れの小屋で、これまでの観察を確かめる対話が始まろうとしている。

小屋で会ったホームズとワトソンは、互いの調査について話し合っている。日が暮れた荒れ地には、星が見え始めている。館への帰路を考えるころにも、友人へ聞きたいことは残る。二人は話を続けながら、暗くなる周囲へ注意を向けようとしている。

荒れ地での夜を経て、ホームズとワトソンはバスカヴィル館へ戻る。ヘンリー卿は館で一日を過ごしていた。互いに知らない出来事を、どこから伝えるべきだろうか。家で待つ人々と顔を合わせ、外で得たことを受け止め直す時間が始まろうとしている。

ホームズとワトソンには、現地で動くための仲間が加わった。次の行動について、ワトソンにも詳しく知らされていない部分がある。指示を聞き、互いの動きを確かめながら、一行は夕方の荒れ地へ向かう。慣れたはずの道も、日が落ちれば違う眺めになる。

十一月の終わり、ホームズとワトソンはベイカー街の暖炉の前に座る。荒れ地で過ごした日々から時がたち、別の仕事も一段落している。調査中には聞けなかったことを、今なら落ち着いて尋ねられるだろうか。二人はあの出来事を、順を追って振り返ろうとしている。