Scene 126 · Notes

解説 場面 126「闇へ走り出す」

この場面の解説

ホームズはうなり声を猟犬と見抜き、ワトソンと荒れ地を走る。最後の叫び声と重い転落音の後に静寂が戻り、ホームズは手遅れだと悔しがる。

表現・文法のポイント

followed at his heels
「すぐ後ろを追った」。足元を追跡するように、間を置かず後に続くこと。
like a man distracted
「取り乱した人のように」。distractedは単に注意散漫なのではなく、強い衝撃で平静を失った状態だ。

全文の対訳

"The hound!" cried Holmes. "Come, Watson, come! Great heavens, if we are too late!"

「猟犬だ」とホームズは叫んだ。「行くぞ、ワトソン、来い。なんということだ、もし遅すぎたのなら」

He had started running swiftly over the moor, and I had followed at his heels. But now from somewhere among the broken ground immediately in front of us there came one last despairing yell, and then a dull, heavy thud. We halted and listened. Not another sound broke the heavy silence of the windless night.

彼は荒れ地を矢のように走り始め、私もそのすぐ後ろを追った。しかしそのとき、目の前の荒れた地形のどこかから、最後の絶望的な叫び声が聞こえ、続いて鈍く重い衝撃音がした。私たちは立ち止まり、耳を澄ました。風のない夜の重苦しい静寂を破る音は、もう一つもなかった。

I saw Holmes put his hand to his forehead like a man distracted. He stamped his feet upon the ground.

ホームズが取り乱した人のように、額へ手を当てるのが見えた。彼は地面を足で踏みつけた。

"He has beaten us, Watson. We are too late."

「彼にやられた、ワトソン。私たちは遅すぎた」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • immediately(イミーディアットリー)… 直接に・すぐに・すぐ(そば)に・直ちに
  • despairing(ディスペアリング)… 絶望した
  • distracted(ディストラクティッド)… 取り乱した・注意を奪われた
  • somewhere(サムウェア)… どこかに・どこかへ
  • windless(ウィンドレス)… 風のない
  • forehead(フォリッド)… 額・おでこ
  • heavens(ヘヴンズ)… (Good heavensで)おや・なんということだ・空・天・天国
  • swiftly(スウィフトリー)… すばやく

次の場面:足を止めて聞く Stopping to Listen

二人は荒れ地を走り、音のする場所へ近づこうとしている。辺りは暗く、見通しが利かない。ワトソンはホームズの言葉を聞きながら、次に進むべき方向を探す。すぐ近くに友人がいても、闇に包まれた土地では、一人が気付いたことを伝え合うことが大切だ。