Scene 135 · Notes

解説 場面 135「事情を結び付ける」

この場面の解説

ホームズは、盗まれた靴からヘンリー卿の匂いを覚えた猟犬が、その服を着たセルデンを追ったと推理する。ただし、セルデンが闇の中でどう猟犬の追跡を知ったかは分からない。

表現・文法のポイント

laid on from some article
「何かの品から匂いを覚えさせられた」。猟犬を特定の人物の臭いで追跡させること。
ran this man down
「この男を追い詰めた」。車でひく意味ではなく、逃げる相手に追いつくことを表す。

全文の対訳

"Then the clothes have been the poor devil's death," said he. "It is clear enough that the hound has been laid on from some article of Sir Henry's—the boot which was abstracted in the hotel, in all probability—and so ran this man down. There is one very singular thing, however: How came Selden, in the darkness, to know that the hound was on his trail?"

「すると、この哀れな男の命を奪ったのは服だったのだ」と彼は言った。「猟犬がヘンリー卿の持ち物の何か——おそらくホテルで盗まれた靴——から匂いを覚えさせられ、それでこの男を追い詰めたのは十分明らかだ。だが、一つ非常に奇妙なことがある。闇の中で、セルデンはどうして猟犬が自分を追っていると分かったのだ」

"He heard him."

「声を聞いたんだ」

"To hear a hound upon the moor would not work a hard man like this convict into such a paroxysm of terror that he would risk recapture by screaming wildly for help. By his cries he must have run a long way after he knew the animal was on his track. How did he know?"

「荒れ地で猟犬の声を聞いただけでは、この脱獄囚のようなしぶとい男が、助けを求めて狂ったように叫び、再び捕らえられる危険まで冒すほどの恐怖に陥るとは思えない。あの叫び声からすれば、野獣が自分の跡を追っていると知ってから、彼はかなり長い距離を走ったはずだ。どうして分かった」

"A greater mystery to me is why this hound, presuming that all our conjectures are correct—"

「私にとってさらに大きな謎は、もし私たちの推測が全て正しいとすれば、なぜこの猟犬が——」

"I presume nothing."

「私は何も決めてかかってはいない」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • abstracted(アブストラクティッド)… 持ち去られた・物思いにふけった・心ここにあらずの・抜き取った・盗み出した(abstract の過去分詞)難
  • paroxysm(パラクスィズム)… 発作・激しい感情の爆発難
  • recapture(リーキャプチャ)… 再逮捕・再び捕らえること難
  • presuming(プリジューミング)… 仮定すること・〜と見込んで難
  • conjectures(コンジェクチャーズ)… 憶測・推測(conjectureの複数)難
  • probability(プロバビリティー)… 見込み・確からしさ
  • screaming(スクリーミング)… 叫んでいる・悲鳴を上げること
  • singular(スィンギュラー)… 奇妙な・独特の

次の場面:近づく気配 Someone Approaches

荒れ地での出来事について話す二人は、次の対応を考えている。周囲の暗がりにも注意を払わねばならない。ホームズとワトソンは、その場で言葉を交わし続ける。夜の土地にいる間は、自分たちの話だけへ集中せず、周りの音や人の動きにも気を付けたい。