Scene 148 · Notes

解説 場面 148「館で話し合う」

この場面の解説

ホームズは、セルデンがサー・ヘンリーの服を着ていたため、二人が彼の死と思い込んだと明かす。服を与えた行為を冷やかしながら、屋敷の人々を揶う。

表現・文法のポイント

on the wrong side of the law
「法に触れる側にいる」。犯人を助けた行為を指す。
most incriminating documents
「実に有罪の証拠に満ちた書類」。ワトソンの報告を冗談めかして言っている。

全文の対訳

"I have no doubt that you would have had a more lively evening," said Holmes drily. "By the way, I don't suppose you appreciate that we have been mourning over you as having broken your neck?"

「間違いなく、もっとにぎやかな夜になっていたでしょうね」とホームズはそっけなく言った。「ところで、あなたが首の骨を折って死んだものと思って、私たちが悼んでいたとはご存じないでしょうね」

Sir Henry opened his eyes. "How was that?"

サー・ヘンリーは目をみはった。「どういうことだい」

"This poor wretch was dressed in your clothes. I fear your servant who gave them to him may get into trouble with the police."

「この哀れな男が、あなたの服を着ていたのです。服を与えた使用人は、警察と面倒を起こすかもしれません」

"That is unlikely. There was no mark on any of them, as far as I know."

「それはないだろう。私の知る限り、どの服にも印はなかった」

"That's lucky for him—in fact, it's lucky for all of you, since you are all on the wrong side of the law in this matter. I am not sure that as a conscientious detective my first duty is not to arrest the whole household. Watson's reports are most incriminating documents."

「それは彼にとって幸運です。いや、実は皆さんにとって幸運ですよ。この件では、皆さん揃って法に触れる側にいるのですから。良心的な探偵として、私の第一の義務は屋敷中の人間を逮捕することではないかとすら思います。ワトソンの報告書は、実に有罪の証拠に満ちた書類です」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • drily(ドライリー)… そっけなく・皮肉っぽく難
  • conscientious(カンシエンシャス)… 良心的な・誠実な難
  • incriminating(インクリミネイティング)… 有罪を示す・罪に陥れる難
  • detective(ディテクティヴ)… 探偵・刑事
  • household(ハウスホウルド)… 同じ家に暮らす人々・世帯・家の使用人たち・家人・家族・世帯・家の者
  • mourning(モーニング)… 悼んでいる・喪中の
  • unlikely(アンライクリー)… ありそうにない・起こりそうもない
  • wretch(レッチ)… 哀れな人・嫌なやつ

次の場面:調査の進み具合 The State of the Inquiry

ホームズと落ち着いて話せるようになり、ヘンリー卿は調査の見通しを尋ねる。館へ来てからも、分からないことは多い。今ある材料をどう考えるのか、本人の言葉を待つ。館を継いで暮らし始めた本人にとっても、これまで聞いた話をどう考えるかは、大切な問いである。