Scene 15 · Notes

解説 場面 15「窓辺のろうそく」

この場面の解説

バリモアは窓のガラスへろうそくを寄せて外を見つめ、やがてうめいて明かりを消す。ワトソンは部屋へ戻り、翌朝はヘンリー卿と次の行動を相談したと報告を結ぶ。

表現・文法のポイント

put out the light
ここでは明かりを「消す」。光を外へ出すのではない。執事がしばらく窓を見たあと、いら立った身振りでする行動だ。
get to the bottom of
「〜の真相を突き止める」。家の地下へ行くという意味ではなく、まだ分からない秘密の事情を解明する意志を表す。

全文の対訳

Barrymore was crouching at the window with the candle held against the glass. His profile was half turned towards me, and his face seemed to be rigid with expectation as he stared out into the blackness of the moor. For some minutes he stood watching intently. Then he gave a deep groan and with an impatient gesture he put out the light. Instantly I made my way back to my room, and very shortly came the stealthy steps passing once more upon their return journey. Long afterwards when I had fallen into a light sleep I heard a key turn somewhere in a lock, but I could not tell whence the sound came. What it all means I cannot guess, but there is some secret business going on in this house of gloom which sooner or later we shall get to the bottom of. I do not trouble you with my theories, for you asked me to furnish you only with facts. I have had a long talk with Sir Henry this morning, and we have made a plan of campaign founded upon my observations of last night. I will not speak about it just now, but it should make my next report interesting reading.

バリモアは窓のそばに身をかがめ、ろうそくをガラスに寄せていた。横顔が半ばこちらを向き、荒れ地の暗闇を見つめる顔は、何かを待ち構えてこわばっているようだった。彼は何分間か、じっと外を見ていた。それから深いうめき声を上げ、いら立った身振りで明かりを消した。私はすぐ自分の部屋へ戻り、ほどなく、帰っていく忍び足の音が、もう一度その前を通った。ずっとあと、浅く眠りかけたころ、どこかで鍵が錠前の中を回る音がしたが、どこから聞こえたのかは分からなかった。何を意味するのか見当はつかないが、この陰気な家では何か秘密のことが進んでおり、遅かれ早かれ、われわれはその真相へたどり着くだろう。きみは事実だけを知らせるよう求めたのだから、私の推測を並べて煩わせることはしない。今朝、私はヘンリー卿と長く話し、昨夜の私の観察に基づいて、行動の計画を立てた。いまはまだ話さないが、これで次の報告は、興味深く読めるものになるはずだ。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • rigid(リジッド)… こわばった・硬直した・こわばった・堅い難
  • whence(ウェンス)… そこから(古風)・どこから難
  • gloom(グルーム)… 薄暗がり・闇・憂うつ難
  • observations(オブザヴェイションズ)… 観察・観察したこと
  • expectation(イクスペクテイション)… 期待・待ち構える気持ち
  • crouching(クラウチング)… 身をかがめている・うずくまっている
  • blackness(ブラックナス)… 暗闇・黒さ
  • impatient(インペイシャント)… いら立った・せっかちな・いら立って・待ちきれない

次は第 2 章「荒れ地の灯(ワトソン博士の第二の報告)〔前半〕」

十月十五日、ワトソンは館から次の報告を書き始める。前の手紙で記した夜の出来事には、まだ確かめたい点が残っている。ヘンリー卿を見守り、近隣の人々と付き合う日々の中で何が起きたのか。自分で見たことと、本人から聞いたことを分けながら、記録を続けようとしている。