Scene 180 · Notes

解説 場面 180「霧を前にして」

この場面の解説

霧を避けて三人は後退するが、離れすぎればサー・ヘンリーを守れない。ホームズは地面に耳を当て、彼が近づく足音を聞き取る。

表現・文法のポイント

hold our ground
危険が迫っても、その場から退かず持ちこたえること。
clapped his ear to the ground
遠い足音を聞くため、耳を地面へ素早く押し当てた。

全文の対訳

"If he isn't out in a quarter of an hour the path will be covered. In half an hour we won't be able to see our hands in front of us."

「あと十五分で出てこなければ、道は覆われてしまう。半時間後には、目の前の自分の手さえ見えなくなる」

"Shall we move farther back upon higher ground?"

「もっと後ろの高台へ移りますか」

"Yes, I think it would be as well."

「ああ、そうするのがよいだろう」

So as the fog-bank flowed onward we fell back before it until we were half a mile from the house, and still that dense white sea, with the moon silvering its upper edge, swept slowly and inexorably on.

そこで霧の層が前へ流れるのに合わせ、私たちはその前から後退し、家から半マイルのところまで下がった。それでも、上端を月に銀色へ染められた濃い白色の海は、ゆっくりとしかし容赦なく押し寄せていた。

"We are going too far," said Holmes. "We dare not take the chance of his being overtaken before he can reach us. At all costs we must hold our ground where we are." He dropped on his knees and clapped his ear to the ground. "Thank God, I think that I hear him coming."

「下がりすぎている」とホームズは言った。「彼が私たちのところへ来る前に霧に追いつかれる危険は冒せない。何があろうと、ここで踏みとどまらねばならない」彼はひざをつき、地面に耳を押し当てた。「ありがたい。彼が来る音が聞こえると思う」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • silvering(スィルヴァリング)… 銀色に染めている難
  • inexorably(イネクサラブリー)… 容赦なく・止められずに難
  • overtaken(オウヴァテイクン)… 追いつかれた・襲われた(overtakeの過去分詞)
  • fog-bank(フォグバンク)… 霧の層・霧の塊
  • farther(ファーザー)… より遠く・(farther sideで)向こう側の・(go farther で)先へ・さらに遠くへ
  • clapped(クラップト)… (手を)ぱっと当てた・拍手した(clap の過去形)
  • onward(オンワード)… 前へ・それ以降
  • chance(チャーンス)… 危険を冒すこと・機会・偶然・偶然・機会・望み・機会・機会・おそれ・偶然・見込み

次の場面:道に耳を澄ます Listening Along the Path

三人が待つ荒れ地の道に、足音が聞こえ始める。霧の向こうはまだ見えにくい。ワトソンは仲間と身を低くし、近づく気配を確かめようとしている。ここまで声を落として待ち続けた一行には、道の小さな物音も、聞き逃せないものに感じられる。