Scene 27 · Notes

解説 場面 27「納得のいかぬ思い」

この場面の解説

ヘンリー卿は、よい夫になれない理由が自分にあるのかと尋ねる。ワトソンが否定すると、世間的な立場にも問題はないのに、兄は指先に触れることさえ許さなかったと話す。

表現・文法のポイント

you can take it from me
「これは確かなこととして聞いてくれ」。ヘンリー卿が自分の強い判断を述べる前置きで、物を受け取る話ではない。
object to
「〜に異議を唱える、反対する」。ここでのobjectは動詞なのでアブジェクトと読む。本人の世間的な立場に反対する理由はないはずだという考え。

全文の対訳

"I dare say not. I always thought him sane enough until today, but you can take it from me that either he or I ought to be in a straitjacket. What's the matter with me, anyhow? You've lived near me for some weeks, Watson. Tell me straight, now! Is there anything that would prevent me from making a good husband to a woman that I loved?"

「そうだろうね。僕も今日までは、まともな人間だと思っていた。だが、これは確かだ。あの男か僕のどちらかは、拘束衣に入れられた方がいい。そもそも、僕の何がいけないんだ。きみは何週間か、僕の近くで暮らしてきたね、ワトソン。いま、率直に言ってくれ。愛する女性にとって、僕がよい夫になるのを妨げるようなことが、何かあるのかい」

"I should say not."

「ないと思います」

"He can't object to my worldly position, so it must be myself that he has this down on. What has he against me? I never hurt man or woman in my life that I know of. And yet he would not so much as let me touch the tips of her fingers."

「僕の世間的な立場に文句はないはずだから、気に入らないのは僕自身ということになる。何が気に入らないんだ。思い当たる限り、僕は一生のうち、男にも女にも人を傷つけたことなどない。それなのに、妹の指先に触れることさえさせなかった」

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • straitjacket(ストレイトジャキット)… 拘束衣難
  • prevent(プリヴェント)… 防ぐ・妨げる
  • worldly(ワールドリー)… 世間的な・世俗の
  • anyhow(エニハウ)… とにかく・いずれにしても
  • object(オブジェクト)… 目的・意味・対象・目的・物体
  • ought(オート)… (ought to で)〜すべきだ・〜のはずだ
  • dare(デア)… あえて~する・思い切って~する
  • sane(セイン)… 正気の・分別のある

次の場面:打ち明け話 A Private Confidence

ワトソンへ向けたヘンリー卿の言葉は、次第に個人的な思いへ近づく。見かけだけでは分からない出来事について、本人の口から説明を聞くところだ。率直に気持ちを表すヘンリー卿と、そばで助言するワトソンとの、友人としての時間でもある。