Scene 59 · Notes

解説 場面 59「確かめる相手」

この場面の解説

岩山で見た人影は近隣の誰とも一致せず、ロンドンから続く見知らぬ尾行者だとワトソンは考える。その男を捕らえることが、謎を解く最良の手段だと決める。

表現・文法のポイント

A stranger then is still dogging us
「見知らぬ男がなおわれわれにつきまとう」。dogはここでは動詞で、犬そのものを指してはいない。
the end of all our difficulties
「すべての難題の終わり」。男を捕らえれば、複数の謎をまとめて解く糸口になるという期待だ。

全文の対訳

It is true that I have had only the one glance at him, and yet there are some things to which I am ready to swear. He is no one whom I have seen down here, and I have now met all the neighbours. The figure was far taller than that of Stapleton, far thinner than that of Frankland. Barrymore it might possibly have been, but we had left him behind us, and I am certain that he could not have followed us. A stranger then is still dogging us, just as a stranger dogged us in London. We have never shaken him off. If I could lay my hands upon that man, then at last we might find ourselves at the end of all our difficulties. To this one purpose I must now devote all my energies.

確かに一目見ただけだが、それでも断言できることがいくつかある。彼は、私がこの辺りで会った人物の誰でもない。近隣の人々には、もう全員会っている。人影はステイプルトンよりはるかに背が高く、フランクランド老人よりはるかに痩せていた。バリモアだった可能性はなくもないが、彼は館に残してきたのであり、あとを追って来られなかったことは確かだ。つまり、ロンドンで見知らぬ男に尾行されたのと同じように、ここでもなお見知らぬ男がわれわれにつきまとっている。われわれは一度も、その男を振り切ってはいない。あの男を捕まえられれば、ついにすべての難題の終わりへたどり着けるかもしれない。いまはこの一つの目的に、全力を注がなければならない。

難易度の高い単語 (☆ で覚えたい単語に入れる)

  • dogging(ドギング)… つきまとっている・追跡している難
  • difficulties(ディフィカルティーズ)… 困難・悩みどころ(複数)
  • possibly(ポッスィブリー)… もしかすると・(否定文で)どうしても・とても(〜ない)・ことによると
  • energies(エナジーズ)… 精力・力
  • purpose(パーパス)… 目的・意図(for the purpose of で「〜のために」)
  • glance(グラーンス)… ざっと目を通す・ちらりと見る
  • figure(フィギュア)… 姿・人影
  • dogged(ドッグド)… 尾行された・しつこくつきまとった

次の場面:朝食のあとで After Breakfast

調べたいことを考えるワトソンには、ヘンリー卿にどこまで話すかという迷いもある。館の朝はいつもどおりに始まる。人々の間には、昨夜から続く事情が残っている。近くにいる友人へすべてを話すか、それとも自分で確かめてからにするか、医師にも迷いがある。