第 10 章(X)ワトソン博士の日記よりThe Hound of the Baskervilles (Part 2)

手紙をたどってきた語りは、ワトソンが手元に残した日記へ移る。十月十六日、館には霧と雨の天気が続いている。荒れ地で経験したことを思い返しても、説明のつかない点が多い。ヘンリー卿のそばで暮らしながら、医師は自分の考えと一日の出来事を書き留めようとしている。

解説の目次

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  1. 56日記を開く Opening the Diaryホームズへ送った報告をたどる語りは、ワトソン自身の日記へ移る。十月十六日の館には、湿った天気が続いている。彼は身の回りの出来事と気持ちを記そうとしている。送るための手紙と、自分の手元へ残す日記では形が違うが、語り手が日々見聞きしたことはつながっている。解説を読む ›
  2. 57日記の中の問い Questions in the Diary館での日々には、まだ説明のつかない出来事が重なっている。ワトソンは不安をただ気分の問題として片付けず、これまで見聞きしたことを日記の中で考え直そうとしている。荒れ地へ来る前に聞いた話も、館に着いてからの経験も、いまのワトソンの考えに関わっている。解説を読む ›
  3. 58事実を考える Considering the Facts不可解な音について、ワトソンは自然な説明を探している。聞いたことが事実である以上、無視することもできない。日記の中で、観察と想像の境を確かめようとしている。ホームズの友人として、納得できる理由を探したい気持ちは、不安が強くなる日にも変わらない。解説を読む ›
  4. 59確かめる相手 Someone to Find岩山で見た人影の記憶が、ワトソンの心に残っている。ほんの短い観察から、何が言えて何が言えないか。彼は荒れ地の出来事へ近づく道筋を考えようとしている。広い土地の中で誰かを探すには、わずかな観察でも、自分の知る人物と比べる材料になるはずだ。解説を読む ›
  5. 60朝食のあとで After Breakfast調べたいことを考えるワトソンには、ヘンリー卿にどこまで話すかという迷いもある。館の朝はいつもどおりに始まる。人々の間には、昨夜から続く事情が残っている。近くにいる友人へすべてを話すか、それとも自分で確かめてからにするか、医師にも迷いがある。解説を読む ›
  6. 61執事の申し出 The Butler's Appeal主人の前に立つバリモアは、落ち着いて話そうとしている。夜の荒れ地へ出た二人の行動について、彼にも言いたいことがある。書斎で事情を聞く会話が続く。館の中で毎日顔を合わせる執事にも、自分の身内のことを、主人に伝えたい気持ちがあるらしい。解説を読む ›
  7. 62行く末の話 What Comes Nextバリモアは荒れ地にいる身内について、主人へ話を続けている。ヘンリー卿とワトソンは、本人の約束をどう受け止めるべきか考える。館の外にも関わる相談だ。館だけでなく、離れた家に暮らす人々にも関わるため、本人の言葉をそのまま受け入れてよいか考える。解説を読む ›
  8. 63相談の返事 An Answer to the Appealバリモアの申し出には、安全について確かめたい点が残る。ヘンリー卿は条件を尋ねながら、どう返事をするか考えている。ワトソンもその場で相談に加わる。相手を思いやる気持ちと、土地の安全を守る必要とを、主人と医師はともに考えなければならない。解説を読む ›
  9. 64立ち去る前に Before the Butler Leaves主人の返事を聞いたバリモアは、部屋を辞そうとしている。だが、口に出すべきことがまだあるようだ。ヘンリー卿とワトソンは、執事の次の言葉に耳を向ける。一つの用件が終わったように見えても、その場で言い出しにくかった話が、あとに残ることもある。解説を読む ›
  10. 65名を尋ねる Asking for a Nameチャールズ卿の晩の行動について、新しい話が出てきた。ヘンリー卿とワトソンは、バリモアがどこまで知っているか確かめたい。まず相手の名を尋ねようとしている。昔の館の主人についての話を、いま暮らす者の口から直接聞けることは、調査には大切な機会だ。解説を読む ›
  11. 66聞き覚えをたどる Recalling a Letterバリモアが話すのは、チャールズ卿に届いた手紙のことだ。ヘンリー卿とワトソンは、その内容をまだ十分には知らない。執事が何を見たのか、説明を待つところだ。ワトソン自身が見ていない物については、いつ、どこで、誰が見たのかを、分けて聞く必要がある。解説を読む ›
  12. 67手紙についての問い Questions About the Letter執事の説明を受け、ワトソンたちにはさらに尋ねたい点がある。同じ差出人から別の手紙も届いていたのか。残された話から、分かる範囲を確かめようとしている。人の記憶を頼りにする調べでは、本人がはっきり覚えていることと、推測していることが混ざりやすい。解説を読む ›
  13. 68新しい話を受けて Considering the New Account手紙の話を聞いた二人は、なぜ今まで知らされなかったのか尋ねている。執事にも言葉を控えた理由があるのだろうか。主人と医師は、説明の続きを聞くところだ。話すかどうか迷った側の気持ちを知ることも、館の人々から詳しい事情を聞くためには必要だろう。解説を読む ›
  14. 69友への知らせ News for Holmesバリモアから聞いたことを、離れたホームズへどう伝えるか。ヘンリー卿とワトソンは、現地で得た情報の扱いを考えている。手紙を書き続ける役目が、再びワトソンへ戻る。ホームズへ現地のことを知らせる手紙は、二人が離れていても、調査をつなぐ大切な役目を持っている。解説を読む ›
  15. 70雨の一日 A Day of Rain十月十七日、館には一日じゅう雨が降り続く。ワトソンは室内にいても、荒れ地で暮らす人々のことを思わずにいられない。日記はまた新しい日の記録へ進む。晴れた日の見晴らしとは違い、雨の土地では、遠くの丘も道も、近づいてみなければ分かりにくい。解説を読む ›
  16. 71帰路の馬車 A Ride Back荒れ地を歩いて戻るワトソンに、モーティマー医師の馬車が追い付く。土地の住人をよく知る医師には、尋ねたいことがある。雨の道で、話す機会ができようとしている。一人で考えながら歩いたあとには、現地をよく知る人と交わす会話にも、得られるものがあるかもしれない。解説を読む ›
  17. 72医師への質問 A Question for Mortimerワトソンは、手紙に関わる名についてモーティマー医師へ尋ねている。頭文字だけでは、誰のことなのか分からない。土地を知る相手の記憶を頼りに、返事を待つ。尋ねる言葉が短くても、相手にどこまで事情を伝えるかには、ワトソンなりの慎重さがある。解説を読む ›
  18. 73その人の暮らし A Woman's Circumstancesモーティマー医師は、ワトソンの尋ねた女性について話し始める。名前だけでは分からない暮らしの事情があるようだ。道を進みながら、医師の知る範囲を聞こうとしている。自分の知らない人について聞くときには、その名だけでなく、暮らしや付き合いも手がかりになる。解説を読む ›
  19. 74日記の次の記録 Another Entry医師との会話を終えても、ワトソンには考えるべきことが残る。現地で聞いた話を、どこまで伝えるべきだろうか。日記には、この日のほかの出来事も記されようとしている。その場で見聞きした話を忘れぬうちに記すため、ワトソンは、日記に今日の流れを書き留めている。解説を読む ›
  20. 75書庫のコーヒー Coffee in the Library夕食のあと、ワトソンは書庫でコーヒーを受け取る。運んできたバリモアに、荒れ地の様子を尋ねる機会だ。ほかの人々が別の部屋にいる間、二人は話し始める。書庫は館のほかの人々のいる部屋から離れており、ワトソンには、落ち着いて質問できる場所でもある。解説を読む ›
  21. 76聞き返した言葉 A Word Repeatedバリモアの話には、ワトソンが聞き返したくなる言葉がある。夜の荒れ地について、執事は何を知っているのか。コーヒーを前にした二人の会話が続こうとしている。執事から聞く荒れ地の話は、自分で見た夜の景色と、まだ確かでない推測との両方につながっている。解説を読む ›
  22. 77窓の方へ Toward the Windowワトソンは、ヘンリー卿を守るためにここへ来たことを執事へ伝える。聞いたことを曖昧にしたままではいられない。雨の音のする書庫で、さらに話を促そうとしている。主人を心配する点では、ワトソンと長く館に仕えた執事にも、共通する思いがあるはずだ。解説を読む ›
  23. 78執事の思い The Butler's Uneasinessバリモアには、館や荒れ地をめぐる気がかりがあるらしい。ワトソンが尋ねると、彼は胸の内を言葉にしようとする。長年この家に仕えた男の話を聞く場面だ。先代から仕えてきた人にとって、館の出来事は、よそから来た医師とはまた違う重さを持つだろう。解説を読む ›
  24. 79居場所を尋ねる Asking Where to Look荒れ地にいる見知らぬ人物について、ワトソンは詳しく知りたい。バリモアの話のどこが手がかりになるだろうか。会った者の言葉を、執事からたどろうとしている。丘のどこを探すべきか分からないままでは、広い荒れ地での調査に、時間がかかることになる。解説を読む ›
  25. 80夜窓の前で Before the Dark Windowバリモアへの問いは、荒れ地での暮らし方に及ぶ。誰かがあの場所にいるなら、食べ物や日用品も必要だろう。ワトソンは次の調査へつながる話を聞こうとしている。夜の書庫で交わす小さな会話にも、翌日どこへ向かうかを考えるための、大切な材料が含まれる。解説を読む ›